p.113 抽出テキスト
CTEPHの疑い,追加的情報がフェノタイプの決定や治療介入の検討に役立つ場合に推奨される114, 960, 963).また,カテーテルによる評価は安定期に行うことが重要で,増悪期には,低酸素に伴い高度PHを呈することも多い114, 964). 第3群の重症PHの定義として,従来,mPAP≧35 mmHg,またはmPAP≧25 mmHgかつCI低値(<2.5 または2 L/分/m 2)が使用されてきたが958, 960),レジストリからの報告で,COPD,ILDにおいて,PVR>5 Wood単位がmPAPにかかわらず予後不良因子とされ,ESC/ERSガイドラインで提唱されている114, 964, 965).重症PHにおいて,肺血管拡張薬で改善する例で予後がよいとする報告や958, 966-968),換気障害軽度の場合,使用例で予後がよい958)とする報告はあるが,予後改善を示したRCTはない.肺疾患に伴うPH,ことに重症PHが疑われる,ないしはPHに対する治療に迷う場合には,専門医との相談や紹介が推奨される114, 960, 969).第1群と第3群の鑑別に貢献しうる評価指標を表41 960)に示す. 2 ILDに伴うPH(推奨表36) 2.1 疫学 第3群PHの原因となる代表的な肺疾患として,ILDがあげられる.ILDにはIPF,その他の特発性間質性肺炎(IIP),膠原病関連間質性肺疾患(CTD-ILD),CPFEなどが含まれ,これらのILDにPHを合併すると予後が著しく悪化する.IPF症例では8~15%に初回診断時にすでにPHを認めており960),肺移植待機中の進行IPFとなると, PHの有病率は25~40.7%まで上昇する582-584).%FVC≧ 50%のIPFを対象とした研究では,mPAPは1.8 mmHg/年で増加したことが報告されている970).たとえ進行したIPFでなくとも,定期的なPHスクリーニング検査の施行が望ましい. 表41 第1 群PAH と第3 群PH の鑑別のための評価指標 第1 群(PAH)を支持する基準パラメータ第3 群(肺疾患によるPH)を支持する基準 肺疾患の程度 正常または軽度の障害• %FEV1>60%(COPD) • %FVC>70%(IPF) • %DLCOが閉塞性/拘束性変化と比較して低い肺機能検査中等度から非常に重症な障害• %FEV1<60%(COPD) • %FVC<70%予測値(IPF) • %DLCOが閉塞性/拘束性変化に相応 気道/肺実質病変はないか,あっても軽度高解像度CTスキャン特徴的な気道および/または実質の異常 PH の重症度 中等症~重症PH RHC検査心エコー図検査軽症~中等症PH PAH の危険因子 ありHIV,膠原病,BMPR2変異などなし 循環/ 換気予備能 循環予備能低下の特徴• 呼吸予備能維持• O2パルス減少• CO/V’O2傾き減少• SvO2が下限値• 労作時PaCO2減少または維持CPET換気予備能低下の特徴• 呼吸予備能低下• 酸素脈正常• CO/V’O2傾き正常• SvO2が下限値以上• 労作時PaCO2上昇閉塞/拘束を主とするプロファイル血行動態を主とするプロファイルFEV1:1秒量,FVC:努力肺活量,BMPR2:骨形成因子受容体タイプ2遺伝子,V’O2:酸素摂取量(Nathan SD, et al 2019 960)より) @ERS 2019. CC BY-NC 4.0