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p.106 抽出テキスト

適応となるのは,治療に反応しない慢性進行性肺疾患で,肺移植以外に生命を救う有効な治療手段が他にない患者である.両肺移植の場合55歳未満,片肺移植の場合には60歳未満のレシピエントが適応となる.

一般的には,肺移植以外の最大限の治療を行っても余命が数年以内と予測される場合に適応となる.ただし,わが国における脳死肺移植の平均待機期間は,登録を継続している患者のみでは525日,待機保留患者(内科的治療などにより登録後に病状が改善または安定した患者)を合わせた場合で1,008日と長期であり908),待機期間を勘案したうえでの肺移植登録が推奨される.なおわが国における2022年末時点での肺移植数は1,036件(心肺同時移植を除く),このうちPAHに対する肺移植は158件(15.3%)で,ほとんどが両側肺移植である909).

11.2 PAHに対する適応

肺移植レシピエント選択に関する国際心肺移植学会(ISHLT)による国際ガイドラインは,1998年に発行され, 2006年に改訂された.その後はコンセンサス・ドキュメントという名称となり,2014年910),2021年911)に改訂され,今日に至っている(表39).いずれの文書においても, referral(肺移植施設への紹介)のタイミングと,listing(肺移植待機リストへの登録)のタイミングに分けて記載されている.2014年までの文書と2021年のコンセンサス・ドキュメントを比較すると,適切な内科的治療にもかかわら

A

C B

D

100μm 100μm

50μm 50μm

図21 PVOD の病理所見A:肺静脈内膜の線維性肥厚により内腔が閉塞している(EVG染色) B:小葉間隔壁内肺静脈壁の閉塞.周囲の肺胞壁の毛細血管増生(EVG染色) C:肺毛細血管腫様の肺胞壁毛細血管の増生および拡張(HE染色) D:肺胞壁内にヘモジデリンを貪食したマクロファージを認める(ベルリンブルー染色) EVG:エラスチカ・ワンギーソン,HE:ヘマトキシリン・エオジン