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とした集学的アプローチにより,大きく改善されている842, 843).特にPAHに対する知識と経験をもったACHD専門医を中心としたチームの構築がきわめて重要である829, 839).多領域の医療従事者を含めた患者教育,リハビリテーション,社会的・心理的サポートは,PAHを合併したACHD患者管理の重要な要素である844). PVRの有意な上昇を伴わない左右シャント患者は,外科的または経カテーテル的短絡閉鎖術の適応である845, 846). PAHを伴う単純型ACHD患者における閉鎖術の適応は,これまでQp/QsとPVRにもとづいて推奨が行われてきており,高いPVRを有する患者では短絡閉鎖は禁忌と考えられてきた.しかし強力な肺血管作動薬が登場し,高度な肺高血圧を合併した症例においても,薬物療法でPVRが反応する場合には,短絡の閉鎖によってさらなるPAHの改善が得られることが,国内を中心に報告されている846-848).特にPAHを合併したASDでは,経カテーテル閉鎖術で人工心肺を用いることなく欠損孔を閉鎖することができるようになり,treat and repair療法として臨床上の経験も増加している846, 848, 849).同様の治療戦略を用いてPAH を合併したVSDの閉鎖術も報告されている847). 欠損孔を完全に閉鎖するか,小欠損孔(fenestration)を残して閉鎖するかなど,今後検討を必要とする内容は数多く残されているが,PAHを合併したACHD患者の生命予後を改善する可能性があり,今後長期にわたる検討が必要である. treat and repairの導入は,これまでの古典的アイゼンメンジャー症候群の概念の再考を促すものであり,ACHD領域に置ける重要な問題と位置付けられる846, 850).IPAHと同様の血行動態を呈する小さな,あるいは偶発的な欠損を有する患者に対する短絡閉鎖術の適応にも,treat and repairの概念は影響を及ぼす可能性がある847). 推奨表28 Qp/Qs >1.5 の患者におけるPVR 値にもとづ いた治療に関する推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル ASD,VSD,PDA があり,PVR が3 Wood単位未満の患者では,シャント閉鎖を行う. I C ASD,VSD,PDA があり,PVR が3~5 Wood 単位の患者では,シャント閉鎖を考慮する. IIa C ASD があり,PVR が>5 Wood 単位であったが,PAH 治療により<5 Wood 単位まで低下した患者では,シャント閉鎖を考慮してもよい. IIb C VSD またはPDA を有し,PVR が>5 Wood 単位の患者では,専門センターで慎重に評価した後,シャント閉鎖を考慮してもよい. IIb C ASD があり,PAH 治療にもかかわらずPVR が>5 Wood 単位の患者では,シャント閉鎖を行うべきではない. III Harm C推奨表30 ACHD の治療に関する推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル アイゼンメンジャー症候群の症候性の患者には,日常運動能を改善するためにERA を投与する. I Bアイゼンメンジャー症候群患者において,動脈酸素飽和度を一貫して上昇させ,症状を軽減する場合には,補助酸素療法の使用を考慮する. IIa C鉄欠乏症を合併する患者には鉄補充療法を考慮する. IIa Cアイゼンメンジャー症候群を含むACHD患者では,ERA,PDE5 阻害薬,リオシグアト,プロスタサイクリン類似体,プロスタサイクリン受容体作動薬の使用を考慮する. IIa C ACHD 術後にPAH を認める患者において,低~中リスクの患者では,PAH 治療薬として承認されている薬剤を用いた初回経口併用療法を考慮する.高リスクの患者にはプロスタサイクリン類似体の経静脈/ 皮下注投与を含む初回併用療法を考慮する. IIa Cアイゼンメンジャー症候群を含むACHD患者では,治療目標に達しない場合は多剤併用療法を考慮する. IIa C肺動脈血栓症を伴うアイゼンメンジャー症候群の患者では,著明な喀血がなければ,経口抗凝固薬による治療を考慮してもよい. IIb Cアイゼンメンジャー症候群の女性では,妊娠を許可するべきではない. III Harm Cアイゼンメンジャー症候群患者では,多血症に対する瀉血を定期的に行うべきではない. III Harm C 推奨表29 ACHD のリスク評価に関する推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 欠損閉鎖後もPAH が持続する患者にはリスク評価を行う. I Cアイゼンメンジャー症候群患者ではリスク評価を考慮する. IIa C