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p.25 抽出テキスト

らなかった6人(23%)は大切断となった.Djoricらは安静時痛もしくは足趾レベルに限定する組織欠損に対する足背静脈弓へのsDVA施行例の救肢率と創傷治癒が,保存加療を選択した症例に比べて有意に良好であったと報告した(救肢率:83% vs. 13%,創傷治癒率:88% vs. 0%).本研究の著者らは,sDVAによる足部組織の再灌流障害についても保存加療群と比較検討しており,術後1週間でTPとTBIの改善が保存加療群と比べて有意に良好であったと報告している.また,sDVA灌流後10分以内の酸化ストレスの程度は灌流前と比較しても有意な差はなく,灌流直後という制限はあるが,sDVAが組織再灌流障害に寄与しない点を生化学的な検証から証明した122).

sDVAに関する治療成績を理解する上で留意すべき点は,本術式の適応が術者ごとに異なる点,再建静脈や弁破壊方法を含めた術式が画一的でなく,施設,術者を含めた変動因子が多く含まれている点である.また.EVTや外科的血行再建の適応とならないno-option患者を対象としており,大切断リスクが非常に高い状況下でsDVAの施行と臨床成績が評価されていることから,救肢,臨床症状の改善を含めた評価項目として肯定的な結果を示した論文が多いことを考慮することも必要である.MätzkeらはsDVAの術後1年救肢率が57%と報告したが,背景が同様の保存加療群の救肢率は54%と差がなかったと報告したことからもわかるように110),RCTが行われていない以上,明確な比較対象がないことからsDVAの有効性を評価することは困難である. 3 経皮的DVA(pDVA)

CLTIのうち20%の患者は血行再建が技術的に難しく,下肢大切断を免れ得ない,いわゆるno-option CLTIであると報告されている123).そのような患者に対して,1912年に外科的に深部静脈を動脈化するいわゆるsDVAが報告されたが,普及することはなかった124).近年になり,企業製デバイスの登場に伴い経皮的DVA(pDVA)が注目を集め,その有用性が報告されている95, 101, 125-127).しかし,欧米諸国では使用可能な企業製専用デバイスは日本では現在保険適用外で,既存のデバイスやテクニックを用いた,いわゆるoff the shelf pDVAが一般的である102, 128).

3.1 適応

pDVAの適応となりうるのは,足首以下の動脈がびまん性に閉塞,または高度石灰化を伴うため(いわゆるsmallartery disease[SAD] 94)),EVT時の遠位穿刺や外科的バイパス手術時の遠位吻合が不可能など,血行再建が極めて困難な状態,もしくは実際に血行再建を試みて不成功だった患者である(図4).解剖学的にはシャント血流の確保のために,inflowとなる動脈の中枢側に狭窄病変がないことが望ましい.また,pDVAのinflowのターゲットとなる脛骨動脈の他に,もう1本,他の膝下動脈が開存している方が,pDVAで作成されたシャントが閉塞した場合の急性虚血や下肢大切断リスクは軽減される129).深部静脈血

pDVA実施2ヵ月後pDVA実施直後pDVA実施前図4 desert foot に対するpDVA 実施前後の血管撮影像pDVA実施前:足首以下の動脈開存が乏しく,いわゆるdesert footの状態であるpDVA実施直後:後脛骨動脈から連続する静脈の描出が見られるpDVA実施2ヵ月後:術直後と比べ静脈がさらに拡張しており,良好な血流が確認できる