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を有する複雑病変ではガイドワイヤーの通過率が低くなることが示された97, 98).また,足関節以下の病変では,石灰化の程度,標的血管遠位部真腔の有無,そしてpedal archの閉塞が手技成功に影響すると報告されている99). 集学的治療チームによりno-option CLTIと判断された場合に,治療の選択肢の一つとなるのがDVAである.DVAは,足部の深部静脈に動脈血を流し,酸素化された血液を末梢の組織に逆行性に供給する治療であり,外科的,経皮的どちらの報告もある95, 100-104). 2 外科的 DVA(sDVA) 2.1 定義と適応 DVAの治療概念は,1881年から1916年に下肢虚血に対して大腿動静脈を用いた内シャントの有効性が臨床的かつ実験的に広く研究され,1912年に初めてその術式が報告されたが,1916年以降は本術式に対する研究がなされず,それ以降1948年になるまで文献的報告はなされなかった105).1977年,1984年にSheil,Lenguaが血行再建困難な重症下肢虚血に対してDVAの手術成績を報告したものの,その救肢率はいずれも50%を超えるものではなく,救肢に有効な術式として捉えられなかった106, 107).しかし, 1990年以降,動脈再建が困難な症例に対するDVAの臨床成績が再び報告され108-111),2000年代にはno-optionとされた重症虚血に対する救肢術として,大切断リスクの高い症例に対して臨床使用された112-114). 通常の血行再建が困難な,いわゆるdesert foot(図3)やno-optionと判断されるCLTIは,全体の20%を超えないが一定数存在すると報告されている95).no-optionと診断する際の問題点として,no-option CLTIの定義が不明確かつ診断に対する客観的な指標がない点,その診断を診療医師に一任されている点があげられる115).CLTIに関わる診療科や診療医師の主観によって診断基準が異なるため,血管外科医や血管内治療医の立場からみたno-optionの診断は必ずしも一致するものでなく,結果的にno-optionと診断される症例の幅が広い.わが国からのCLTIに対する末梢バイパス401肢の報告において,DVAの適応となる症例は4肢(1.7%)で,おもに透析症例が対象であった116).一方で,血管内治療医による報告では,3.8%(36/951肢)がno-option CLIとしてDVAを施行していた117).このようにDVAの適応は診療医師,診療科によって異なる. 2.2 術式 sDVAは,重症下肢虚血(CLTI)に対して動脈血を下肢静脈に逆行性に灌流させる術式である.動脈再建が困難な場合に大切断の回避を目的に考慮される術式であるが,灌流メカニズムおよびその有効性は確立されていない.大腿動脈や膝窩動脈をinflow arteryとして動脈血を再建静脈に灌流させるために大伏在静脈(GSV)をグラフトとして使用することが多いが,GSVのほか,上肢静脈や人工血管を用いた報告もなされている111, 118). 静脈の再建部位をより末梢とすることで臨床成績が向上したことから109, 111, 112),足背もしくは足底の静脈,いわゆる足部領域の静脈がDVA吻合部として定着した.術式の安定化のためには,DVA造設部位の末梢化に加えて,重度虚血に陥った足部への動脈血灌流のために足部領域の静脈弁を有効に破壊できるかが重要と考えられている114).現時点では,逆行性に足部静脈を破壊できる外科的デバイスは存在しないが,バルーンカッター,プローブ,外科ゾンデやFogartyバルーンカテーテルが用いられてきた100, 110, 111)(表7).動脈圧による静脈弁不全化については議論がわかれており,Ozbekらが施行したDVAは弁破壊することなく足部のGSVから足背静脈弓を通じて灌流を成立させる術式であるが,足部深部静脈への動脈血灌流は限定的で安静時痛や間欠性跛行の改善が報告されたものの,組織欠損を合併する症例での有効性は懐疑的である113). sDVAの臨床的課題は,DVAグラフトの開存率が著しく低い点であり,動脈血を足部に灌流させる目的を考慮すると静脈弁破壊法は本術式の肝ともいえる.これらの課題から,笹嶋らやMutiranguraらはDVA単独での血行再建以外に,末梢動脈バイパスへの追加治療としての補助的DVAや遊離組織補填の栄養動脈としてのDVAの有用性を見出し,救肢率から創傷治癒に評価項目を移行させた100, 119). 2.3 臨床成績と留意点 sDVAの臨床試験では救肢率が主な評価項目であり, DVAを施行した際の救肢率は20~100%とばらつきが大きい(表7).sDVAに関する3 つのシステマティックレビューが報告されている.Luらは2006年に228人を対象に臨床成績をレビューした結果,術後1年救肢率が71% (95%CI 64~77),sDVAの二次開存率は46%(95%CI 39~53)と解析した114).大切断を免れた症例では,創傷