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第4章 CTLIに対するDVA(distal/ deep venous arterialization) 1 適応病変 包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)においては,多診療科・職種により構成された集学的治療チームによって, PLANコンセプト86, 90)に基づいてリスクが評価され,外科的血行再建あるいは血管内治療(EVT),あるいはその両者のハイブリッド血行再建が検討される.Global Vascular Guideline(GVG) 86)では,血行再建術の適応があり,推定2年生存率が50%以下または周術期死亡率が5%以上の高リスクCLTI症例ではEVTを考慮し,それ以外の標準的リスク患者では,代用血管としての静脈の評価をしたうえで適切な血行再建術を選択することが推奨されている.この標準的リスク患者における血行再建術の選択方法としては,Wound, Ischemia, and foot Infection(WIfI)分類86, 90, 91)とGlobal Anatomic Staging System(GLASS)分類86, 90)で評価された創傷および解剖学的重症度マトリックスで判定することが提唱されており,より重度な症例には外科的バイパス術が,軽度な症例にはEVTが望ましいとされている. 多くのCLTI症例は解剖学的には血行再建が可能であり,外科的バイパス術やEVTにより,初期技術的成功となる足部への直接的な血流再開が行われる.また,潰瘍や壊疽を有しない安静時疼痛にとどまる症例(Rutherford分類4度)やWIfI分類stage 2のような限局的な組織欠損症例では,inflowである中枢側の病変や大腿膝窩動脈領域のみの血行再建を実施することで,下腿から足部への連続する ● 足部深部静脈動脈化(DVA)とは,血行再建が不可 能な(no-option)CLTI患者に対して,足部の深部静脈に動脈血を流し,酸素化された血液を組織に逆行性に供給して下肢大切断を回避する治療で,外科的アプローチと経皮的アプローチがある. ステートメント血行再建を行わなくとも症状の改善が得られる可能性があ る.そのため,no-option CLTIとされる症例は,WIfI分類stage 3,4で足関節から足部まで連なる足背動脈や足底動脈などの標的血管が確認できない症例(=GLASS P2 modifier 86, 90))となる.一般的に足関節から足部レベルの動脈は血管造影で確認するが,血管造影でこれらの動脈が確認できない場合でも,超音波検査で開存を確認して血行再建が実施される症例もある92, 93).したがって,nooption CLTIの明確な定義はこれまでなされていないが, 1足関節から足部レベルにおいて,外科的血行再建の対象となるバイパス遠位吻合部に適した標的血管が確認できない(desert foot,図3),2バイパス手術の代用血管に適した自家静脈がない,3EVTの対象となる遠位部真腔が確認できない,4EVTにおける高度石灰化small artery disease(SAD) 94)などによるガイドワイヤーやバルーンカテーテルなどのデバイスの不通過や対象血管の拡張困難,があげられる95, 96). 外科的血行再建が不適応と判断された場合にはEVTが選択されるが,その手技成功の可能性を予測する因子に関して,膝下動脈病変および足関節以下の病変でそれぞれ報告がある.膝下動脈病変においては,慢性完全閉塞近位端の断端形状,石灰化の有無,対象血管径,閉塞長,そして遠位部真腔の有無で層別化を行ったところ,多因子 図3 desert foot の血管撮影像 正面像側面像