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る.移植後管理の点で,EBV,CMV などの既感染のミスマッチを調べておくことは重要である. 1.4 ドナー心摘出・心臓移植手技 心筋症では,ドナー心摘出方法は成人と同じであるが,先天性心疾患では,レシピエントの心臓,大血管,静脈の形状に応じて欠損している部分(missing parts)を心臓と同時に摘出し,移植時にその部位の再建を行う. 1.5 免疫抑制療法 小児は腎機能が未熟であるので,抗IL-2 受容体抗体(バシリキシマブ)を使用して,早期にCNI の投与量を減量することが望ましい.成長を考慮して,6 ヵ月以内にステロイドを中止する.成人では心筋生検が標準的検査法であるが,小児例では心筋生検の合併症を避けるために,非侵襲的な診断法を重要視している施設が多い.非侵襲的な検査法として心臓超音波検査がもっとも重要視され,左室壁厚,拡張期時間,LVEF,左室拡張能,僧帽弁逆流,心囊液貯留などをスコア化し,移植後経日的に測定してスコアに変化があれば拒絶反応と診断する. 1.6 感染症 術後早期は成人と差はないが,退院後は伝染性疾患(インフルエンザ,麻疹,風疹,ムンプス,水痘,アデノウイルス,EBV,CMV など)に罹患しやすいので,感染予防 が大切である.マスク着用,うがい・手洗い励行,生ものの摂取の禁止に加えて,動物(特に猫・鳥)・植物・泥との接触の禁止,雑魚寝の禁止などを徹底する. 1.7 合併症 使用する免疫抑制薬は成人より少ないが,PTLD の発症頻度は高く,EBV,可溶性IL-2 受容体などのモニタリング,血液内科との連携が重要である.移植後の腎機能障害も成人より重度になりやすいので,他科と連携し,可能な限り免疫抑制薬を減量する. 1.8 精神的・身体的成長の問題 ステロイドから離脱できれば,ほぼ正常の体重・身長の増加が見込まれるが,移植前の状況が影響する.心臓は患児の体格に合わせて成長する.自分で心臓移植を受けるかどうか決めていないこと,ニキビ・肥満・多毛などの免疫抑制薬の副作用があること,思春期で葛藤の時期を経過することなどから,服薬アドヒアランスの低下をきたしやすいので注意深い観察とともに,綿密な精神支援・指導が必要である.チャイルド・ライフ・スペシャリスト,臨床心理士などの患児を支援する体制整備,成人診療科への移行のための体制整備が必要である. 図31 国内小児心臓移植件数の推移(一般社団法人 日本心臓移植学会.心臓移植レジストリ報告.2023 14)より) 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 7 1 1 2 1 3 2 3 1 5 3 10 5 2 1 1 1 1 2 4 7 3 1 1 (年) 移植時10歳未満移植時10~17歳(2022.12.31 現在)