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能力にあわせて実施する.拒絶反応や感染などの合併症がなく,プレドニゾロンの内服量が15 mg /日以下の条件下で500 m の歩行を行えれば,心リハ室での監視下運動療法への移行を検討する517). 4.3.2 回復期 心不全患者の心臓リハビリテーションプログラムに準じて早期の社会復帰を目指す.移植心は除神経心であるため,心拍数を指標にした運動強度の設定が困難であり,初期はBorg 指数11 ~13 を目安に運動強度・時間を決定する.その後,CPX にて運動耐容能を評価し,最大酸素摂取量の40 ~60% または嫌気性代謝閾値レベルの運動強度に設定する.除神経されているため,心拍数を指標とした運動強度設定は行わない.低強度のレジスタンス運動は併用してもよく,導入期は最大筋力の30% 未満,Borg 指数12未満を目安に行う.退院時には,再度運動耐容能を評価し,可能な限り外来通院型心臓リハビリテーションに参加させ,在宅運動療法も併用する.心臓リハビリテーションプログラムを利用した患者教育・カウンセリングを含む疾病管理も有用と考えられる. 4.4 慢性期リハビリテーション 慢性期は維持期としてリハビリテーションが提唱されている517).回復期に得られた良好な身体的・精神的機能を,社会復帰後も生涯にわたって維持し,快適で質の高い生活を送ることを目的として行う.移植後冠動脈疾患は心臓移植後の死因の上位を占めているが,移植心は除神経されて いるので胸痛がなく,発見が遅れ,運動を継続すれば致死的な不整脈が発生することもあるので,場合によっては運動療法中の心電図モニタリングを検討する.特に女性で発生率が高い518)とされるAMR は移植後冠動脈疾患と関連するともいわれており518),AMR の既往がある場合には心電図により注意を払う.運動強度の設定はおおむね回復期に準じる.自覚的運動強度(Borg 指数13)と最大酸素摂取量に基づいて運動強度の設定を行い,最大酸素摂取量の40 ~60% を目安とする519).運動の頻度は週に3 ~5回,運動時間は1 回20 ~60 分程度とする517). 5 生活面・精神面の管理 心臓移植の目的は生命予後の改善にとどまらず,患者の心理社会的な機能の回復にある.その回復が不十分であると,QOL の低下をもたらすばかりでなく,長期予後(罹病率,死亡率)にも悪影響を及ぼす.このため,患者の生活面,精神面には十分に配慮し,問題があれば適宜介入する必要がある. 5.1 治療に対するアドヒアランス 心臓移植後,最善の予後をもたらすためには患者自身が医療者の推奨する治療方針に同意し,主体的に適切な受療 表26 心臓移植後の急性期リハビリテーションプログラム 実施時期運動移植後の経過期間 第1 段階循環動態安定後自動体交,受動座位 90°可自動運動(筋力低下が著しい場合は他動的屈伸運動を行う)第2 段階端座位・立位負荷試験後端座位で足踏み練習1 日3 回5 分間第3 段階室内歩行(2 分間)負荷試験後病室内歩行練習1 日3 回10 分間第4 段階100 m 歩行負荷試験後(プレドニゾロン内服量30 mg/ 日以下) 100 m 歩行練習1 日3 回おおむね 1 週間第5 段階200 m 歩行負荷試験後(プレドニゾロン内服量20 mg/ 日以下) 200 m 歩行練習1 日3 回おおむね 3 週間第6 段階500 m 歩行負荷試験後(プレドニゾロン内服量15 mg/ 日以下) 500 m 歩行練習1 日3 回おおむね 5 週間第7 段階心臓リハビリテーション(退院前~回復期リハビリテーションへ 移行)自覚的運動強度(Borg 指数13)または peak V· O2 の40 ~ 60% を目安とする.頻度は3 ~5 回/ 週,運動時間は1 回20分から60 分程度[2021 年改訂版心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドラインからの変更点]環境の項目を削除. (日本循環器学会,日本心臓リハビリテーション学会.2021 516)より改変)