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p.84 抽出テキスト

に対する血管リモデリング(血管拡張)が不十分であること(paradoxical vessel remodeling)が長期予後と関連することが報告されている446). c.OCT

OCT はIVUS よりも高い解像度で冠動脈病変の組織性状を評価することを可能とし,CAV の病態解明や進行予測につながる新たな指標が得られる可能性がある439).一方で,明瞭な画像を得るためには造影剤が必要な点は,ルーティン評価としての導入の妨げとなる.

OCT 上のCAV の定義は明確ではない.OCT による内膜肥厚の描出は,IVUS よりも感度が高い439).多施設共同研究の報告では,異常な内膜肥厚を内膜- 中膜比(I/M ratio)に着目して(図28 A),観察血管内のI/M ratio の平均が1 以上と定義されたが447),CAV 進行との関連性は明確ではない.層状線維素性プラーク(Layered fibrotic plaque) (図28 B[アスタリスク])とマクロファージの集積(bright spot)(図28 C[矢尻])を示唆する所見がCAV の進行と関与することが報告された448).また,新生血管を

示唆するmicrochannels がCAV の進行と関与する可能性がある449)ことも報告されている.一般的な粥状動脈硬化の急性冠症候群発症のリスクとされる不安定プラークが観察されており,心血管イベントとの関連については影響が示唆されるところである439). d.冠血流予備能

CAV は心筋内の細小動脈までびまん性に侵される病態であるために,侵襲的に測定される冠血流予備能(Coronary flow reserve: CFR)の低下や微小血管抵抗指数(index of microcirculatory resistance: IMR)の上昇450, 451)が心臓移植後の心血管イベントの予測指標となる報告がされている.

表24 CAV の冠動脈造影によるISHLT 分類

ISHLT CAV0(病変なし):造影上,病変なし. ISHLT CAV1(軽症) :造影上,左冠動脈主幹部狭窄<50%,あるいは冠動脈近位部または側枝の狭窄< 70%,かつ心機能低下なし. ISHLT CAV2(中等症) :造影上,左冠動脈主幹部狭窄<50%,あるいは冠動脈近位部1 枝または2 系統の側枝の狭窄≧70%,かつ心機能低下なし.

ISHLT CAV3(重症) :造影上,左冠動脈主幹部狭窄≧50%,あるいは冠動脈近位部2 枝以上または全3 系統の側枝狭窄≧70%,心機能低下あり.(左室駆出率≦45%[壁運動異常を伴う]),または拘束性血行動態あり. (Mehra MR, et al. 2010

440)より改変) Copyright (2010) International Society for Heart and Lung Transplantation., with permission from Elsevier.

図27 CAV のIVUS 所見

内膜肥厚外弾性板

血管内腔

図28 CAV のOCT 所見

(A)

(B) (C)

内膜

中膜

外膜