p.67 抽出テキスト
による心筋の病理組織学的診断による評価(免疫染色を含む)を行う286, 287).AMR の病態に関わるドナー特異的抗体(DSA)の検出を目的とした免疫学的検査と,病理組織学的検査がある. 臨床的にAMR を疑う場合,循環破綻を回避するよう介入し,DSA 同定,病理組織学的検査を行う. DSA の検出には,Virtual(仮想)PRA を実施しIgG 抗体の存在を検査しているが,補体成分であるC1q またはC3 が関与する抗体を検査することで,拒絶反応リスク,予後の評価につながる.補体結合能があるDSA は,心臓移植後のAMR やCAV の発症率が高いとする報告もあ る288).また,non- HLA 抗体である血管内皮細胞抗体, vimentin 抗体,MICA・ MICB 抗体などもAMR に関与する. 3.2.3 病理組織学的検査 ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色(図21,表20 289))は,血管内活性化単核細胞,特に血管内マクロファージの毛細血管や静脈への集積が特徴的で,血管内腔が膨張し充満,内皮細胞の腫脹が血管内腔を閉塞させているように 図21 病理学的診断による移植心のAMR の判定グレードは ISHLT2013 のグレードa:pAMR 2; 血管内皮細胞の腫大と近接する単核球(矢印),b:pAMR 2; 毛細血管にC4d 陽性(矢印)(凍結蛍光免疫染色),c:pAMR 2; 血管内皮細胞にC4d 陽性(矢印)(パラフィン免疫染色),d:pAMR 2; 血管内のCD68 陽性マクロファージの集簇(矢印)(パラフィン免疫染色). a b c d 表20 ISHLT によるAMR の病理学的診断 Grade定義所見pAMR 0 Negative for pathologic AMR組織学的,免疫病理学的所見のないもの. pAMR 1 (H+) Histopathologic AMR alone組織学的所見を認めるが,免疫病理学的所見はないもの. pAMR 1(I+) Immunopathologic AMR alone組織学的所見はなく,免疫病理学的所見は認めるもの(CD68 +and/or C4d +). pAMR 2 Pathologic AMR組織学的所見と免疫病理学的所見のいずれも認めるもの. pAMR 3 Severe pathologic AMR間質への出血,毛細血管の破綻,多彩な炎症細胞浸潤,内皮細胞傷害,著明な浮腫を認め,かつ免疫病理学的所見を認めるもの.血行動態は破綻し,臓器予後は不良を示唆する. (Berry GJ, et al. 2013 289)より) Copyright (2013) International Society for Heart and Lung Transplantation., with permission from Elsevier.補足 pAMR 1(H+):HE 染色でのみAMR を示す組織像(内皮細胞の腫大を伴う毛細血管内にマクロファージの充満)を認めるが,免疫染色では陽性像がない.pAMR 1(1+):組織変化に乏しく,免疫染色でのみ陽性像を認める.C4d,CD68(パラフィン標本を推奨),C3d(凍結標本を推奨).pAMR 2:HE 染色,免疫抗体法の両方でAMR 陽性所見を認めるもの(図21a ~d を参照).