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p.45 抽出テキスト

ティングを行う.心臓摘出チームの責任者は,メンバー紹介をして第三次評価の結果を報告する.執刀前のメチルプレドニゾロン(1 g),ヘパリン量(400 U/kg)を確認する.ミーティング前後のタイミングで,持参したメチルプレドニゾロン 1 g とヘパリン原液 400 U/kg をそれぞれシリンジに準備して,JOT のコーディネーターを介して呼吸循環管理医に渡す.心臓摘出直前に中心静脈カテーテルを浅く引き抜けるように,ドレーピング前にカテーテル留置部の固定糸をはずしてテープで仮固定することを呼吸循環管理医に依頼する.腹部臓器の摘出がある場合は,下大静脈に腹部からカニュレーションして脱血することを腹部チームに依頼する.ただし,胸部・腹部チームが互いに合意すれば,腹部から下大静脈に脱血管を入れず,肺チームも合意のうえ,右開胸として血液が可能な限り胸腔内に流れ込むようにしてもよい.右開胸として心囊内に流れこむ温血液の量を最小限とすることは,大動脈遮断時の視野の確保だけではなく,心保護の観点からも重要である.右開胸としたうえで,横隔膜上で下大静脈・右房接合部を切開して,ここに吸引管を置いて吸引脱血してもよい.いずれにしても大動脈遮断前に横隔膜上で肝臓摘出医との合意ラインで下大静脈・右房接合部を切開することを確認する.肺摘出がある場合,左房切開は肺摘出医と一緒に目視しながら慎重に行うことを確認する.灌流液投与中の左房の脱血・減圧をどこで行うか(左心耳切開,左房下面切開,肺摘出がない場合は右上肺静脈切開も可)をミーティング時に確認する.吸引は胸部と腹部で2 系統ずつ,計4 系統使用できるよう依頼しておく.心保存液灌流カニューレからヘパリン加血の採血ができるので,採血希望の移植チームがあるか確認する.ヘパリン化前の採血が必要な分は,摘出手術開始前に呼吸循環管理医に動脈ラインから採血してもらう.心臓採取医がドナー手術中の術野の責任者となって統括するので,特にヘパリン投与時と大動脈遮断時に,手術室にいる全員に周知して行うことを確認する.

2.1.3 実際の心臓採取手順(開胸から大動脈遮断まで)

手術開始前にメチルプレドニゾロン1 g を呼吸循環管理医に投与してもらう.胸骨正中切開を行う.頭側の皮膚切開が不十分だと,腹部側が大きく開くために胸骨が「ハの字」に開いて開胸器がずれやすいので,頭側も十分に切開する.心膜を縦切開して,ペアンなどで吊り上げる.肺の最終評価後に心膜に吊り上げ糸をかけることを希望する肺採取医もいるため,肺チームと吊り上げ糸をかけるタイミングを相談しておく.心臓表面,特に冠動脈を視診および触診で確認する.解剖学的異常や冠動脈硬化がないことを確認し,移植の可否(最終評価)をJOT のコーディネーターに告げる.

肺チームと交代し,肺チームが左右開胸して肺の最終評価を行う.肺の評価時には肺/ 心臓の圧排や肺の加圧などが必要になる場合があり,循環動態が変動しやすい.心臓チームの責任者が常に血行動態に気を配り,必要な対処を他の手術メンバーや呼吸循環管理医に声掛けしていく必要がある.

心臓チームに再び交代し,上大静脈を剥離・露出する.前方は心膜を切開して左右腕頭静脈合流部までを露出する.上大静脈の内側後方で右肺動脈との間を剥離し,尾側は左房天井まで,頭側は奇静脈がテーピングできるところまで剥離・露出する.奇静脈は結紮する.奇静脈より頭側の上大静脈に2 号絹糸を回しておく.上大静脈の背側を左房天井まで剥離しておくと,後程の左房切開線が分かりやすい.右肺の提供がある時は右側左房切開時のように心房間溝を剥離する(右肺提供がない時は不要).下大静脈を心囊内で剥離・露出する.右下肺静脈と下大静脈の間も剥離する.テープまたは2 号の絹糸を下大静脈に回しておく.上行大動脈から近位弓部大動脈の腕頭動脈分岐部レベルまで剥離・露出する.肺動脈幹・右肺動脈と上行大動脈の間を剥離し,上行大動脈をテーピングしておく.

全身ヘパリン化に備えて,上行大動脈に心保存液灌流カニューレ固定用の糸をかける.大動脈遮断は腕頭動脈分岐部直前の最遠位上行大動脈とするため上行大動脈のどこでも大丈夫だが,ある程度遠位にすれば移植される部位にこの孔が含まれずに閉じる必要はなくなり,また移植される範囲に孔が含まれればレシピエントの大動脈遮断解除後の脱気・ベンティングにこの孔を利用できる.肺チームと交代し,肺チームが肺動脈幹遠位に肺灌流カニューレ固定用の糸をかける.心臓摘出する際の肺動脈切離ラインはこの肺灌流カニューレを抜去した孔から全周性に離断することが多いため,カニュレーション位置を肺チームと一緒に確認する.肺動脈基部または右室流出路を軽く尾側に牽引してカニュレーション部位の視野を展開する.肺動脈幹遠位で左右肺動脈分岐直前にカニュレーションするよう依頼するが,遠位にし過ぎると左右肺動脈のどちらか一方ばかりに肺灌流液が流れてしまう恐れがあり注意が必要である.または,心臓チームと肺チームの合意があれば,肺動脈弁の損傷に注意しながらカニュレーションしやすい近位部でカニュレーションを行い,大動脈遮断後にそのタバコ縫合を結紮してより遠位部で肺動脈を全周性に離断してもよい.

心臓チームと交代し,腹部を含めた摘出予定臓器の剥離・準備が完了したことを確認してから,呼吸循環管理医にヘパリン400 U/kg の投与を依頼する.ヘパリン投与後,