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予測する参考所見となる38). 2.2.6 心肺運動負荷試験(CPX) 心臓移植の目的は重症心不全患者の生命予後の改善およびQOL の改善であるため,移植手術を受けることで利益を得られる患者を選別することが重要である.つまり心不全で推定される予後と心臓移植手術後に推定される予後との比較が重要になる.心不全患者の予後に相関する因子は数多く報告されているが,そのなかでももっとも重要な項目の1 つが患者の運動耐容能である. 心不全患者におけるCPX の目的は,運動耐容能測定,心機能の重症度ならびに予後推定,治療効果判定,運動処方や生活指導の指標とすることである.CPX から得られる各指標のなかで,最高酸素摂取量(peak VO2)は心不全患者の重症度と生命予後のもっとも鋭敏な予測因子である. Peak VO2 <14 mL/kg/分の症例では生命予後が不良であり,特に予後が不良であるpeak VO2 <10 mL/kg/ 分の患者や,peak VO2 が10 ~14 mL/kg/ 分で日常生活動作が強く制限される患者は心臓移植の適応と考えられる39).患者の努力不足などによる不十分な負荷によるpeak VO2 の信頼性の問題については,負荷時のpeak RQ(呼吸商)> 1.10 を達成できている場合には比較的信頼度が高く,わが 国での検討でも1.20 以上を目指して負荷を行った場合に,予後予測においてより高い信頼性が得られたとする報告がある40).また,年齢や性別の影響を除外するために,peak VO2 の年齢別標準値に対する実測値の割合(予測率, %peak VO2)< 50%,最大負荷まで行わなくとも得られる指標として二酸化炭素排出量に対する換気当量の傾き(VE/VCO2 slope)> 35 を閾値として提唱する報告もあり, CPX から得られた指標は総合的に解釈することが重要である41, 42).運動耐容能は治療内容や疾患自体の進行によって経時的に変化する可能性があり,登録前や待機期間中も繰り返し行うことが勧められる.CPX が施行できない症例における身体能力の指標として6 分間歩行テストの有用性が報告されており,6 分間歩行距離が300 m 未満の症例は予後不良であることが報告されている43).しかしながら,この値も年齢や性別,あるいは体格などによって大きく左右されることを念頭におく必要がある. 2.2.7 右心カテーテル検査 原則として,右心カテーテル検査は心臓移植適応を検討する全症例で施行しなければならない.その目的は,血行動態の正確な評価と重症度の判定,内科的治療のさらなる介入の余地の検討,肺動脈圧および肺血管抵抗の評価である.わが国では,肺血管抵抗が血管拡張薬を使用しても6 Wood 単位以上は心臓移植の除外条件となる29).この場 合,心臓移植ではなく心肺同時移植を考慮しなければならない. 2.3 除外基準の検討のために必要な諸検査 2.3.1 腎機能 腎機能障害がある場合にはその可逆性が重要である.心臓移植後は免疫抑制薬であるカルシニューリン阻害薬(CNI)による腎機能障害の可能性もあることから,術前に十分な評価が必要である.血清クレアチニン値やクレアチニン・クリアランスに加えて推算糸球体濾過量(eGFR)を評価する.やせた女性ではシスタチンC での評価を検討する.国際心肺移植学会のガイドラインでは,eGFR < 30mL/min/1.73 m 2 を相対的除外基準と定めている33).腎機能障害を認めた場合には,腎臓内科専門医に相談し,検尿,腹部エコー,腎動脈エコーなどで原因検索を行う. 2.3.2 肺機能 閉塞性換気障害や拘束性換気障害を有する患者では心臓移植術後の呼吸器合併症の頻度が高い.1 秒量 < 1.0 Lあるいは肺活量予測率< 50% では予後が不良である.また抗不整脈薬のアミオダロン内服中の症例では肺拡散能の評価も重要である.胸部CT で器質的な肺疾患の有無を確認することも必須である.全身状態が悪く,肺機能検査が施行できない症例に対しては,血液ガス所見を参考に判断する.肺塞栓症の合併が疑われる症例では肺換気-血流シンチグラフィを行う. 2.3.3 肝機能 高度右心不全を合併している症例では,肝機能障害をしばしば合併する.肝機能障害を認める場合には腹部エコーや腹部CT での評価を追加する.肝硬変は心臓移植の除外基準に該当する.胆石症の有無についてもスクリーニングを行う. 2.3.4 悪性腫瘍 すべての症例において便潜血と腹部超音波検査のスクリーニングを行う.若年者で便潜血が陰性の場合を除いて,可能な限り上部消化管および下部消化管内視鏡検査を実施する.血行動態が不安定で検査が困難な場合には腫瘍マーカーや腹部CT を参考にする.また,男性では前立腺癌,女性では乳癌や婦人科領域の悪性疾患のスクリーニングが推奨される.以前に悪性腫瘍の病歴がある症例では,専門