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p.30 抽出テキスト

臨床検査解釈/ 移植申請にあたって考慮すべき事項

感染症HBs 抗原/ HBs 抗体/ HBc 抗体いずれかが陽性の場合にはHBV-DNA 定量が必要.肝硬変や肝癌を併発しておらず,DNAコピー数が低 titer であれば登録可能.核酸アナログ使用下で低 titer の場合も移植登録可能. HCV 抗体陽性の場合にはRNA 定量が必要.肝硬変や肝癌を併発しておらず,抗ウイルス薬投与終了後 PCR 陰性を維持している場合に登録可能.抗ウイルス薬投与中の症例はその時点では登録不可. HIV 抗体陽性の場合には原則除外. HTLV-1 抗体陽性の場合には個別に移植適応の判断.梅毒検査 (RPR 法 / TPHA 法)ツベルクリン反応(PPD) HSV IgG / IgM VZV IgG / IgM CMV IgG / IgM EBV IgG / IgMトキソプラズマ IgG / IgM

表8 (続き)

肥大型心筋症やFabry 病(特に女性)においては,遺伝子検査も診断確定のために有効である.

2.2.2 冠動脈造影,冠動脈CT

冠動脈造影による冠動脈の評価は,虚血性を疑う場合,あるいはその除外のために必要である.冠動脈CT で代用も可能であるが,冠動脈造影と比較し陽性的中率はやや劣ることから,評価にあたっては注意が必要である.さらに心筋生存能や残存虚血の有無,その範囲の評価のためには心筋シンチグラフィや18F-FDG PET,心臓MRI 遅延造影像などでの評価が有用であり,血行再建術の適応や有用性について検討を行う36).また,冠危険因子が少ないにもかかわらず冠動脈病変を認めたり,急性冠症候群や冠動脈治療後の再狭窄を繰り返したりするような患者においては,血栓性素因や血管炎などの動脈硬化以外の原因疾患の検索が必要である.

2.2.3 心臓MRI

心臓MRI は,先天性心疾患などの解剖学的異常の検索や評価にとどまらず,その高い時間分解能と空間分解能から,シネMRI による左室・右室の壁運動や容積・心機能の評価が可能である.また,心筋障害のマーカーとして遅延造影,T1 マッピング,ECV,心筋浮腫のマーカーとしてT2 強調画像が心筋症の鑑別に有用で,虚血性心筋症と非虚血性心筋症の鑑別のみならず,さまざまな心筋症に特徴的なパターンを示す.さらに,不整脈による突然死のリ

スクの評価や予後の予測にも有用とされている.

2.2.4 核医学検査

201Thallium(201Tl)や99mTechnetium(99mTc)などの核種を用いた心筋血流イメージングは,心筋虚血や心筋生存能の評価に特に有用である.また,心電図同期心筋SPECTでは,左室造影やMRI と同様に,心室の壁運動や容積,駆出率といった心機能の評価が可能である.交感神経機能の評価に有用とされている123I-MIBG シンチグラフィは心縦隔比や洗い出し率が心不全の予後予測に有用であるとされている37).99mTc-PYP シンチグラフィは近年,アミロイドーシスの診断に頻用されている.18F-FDG-PET は虚血性心筋症における心筋生存能の評価に有用であると同時に,心臓サルコイドーシスの診断および活動性の評価において必須の検査である32).

2.2.5 心筋生検

明らかな虚血性心筋症症例を除けば,心臓移植の適応を検討するような重症心不全では,二次性心筋症の除外のために心筋生検は必須である.心筋炎やアミロイドーシスの確定診断には組織診断が必須であり,検出率は低いものの非乾酪性肉芽腫は心臓サルコイドーシスに特徴的な所見である.拡張型心筋症では特徴的な病理所見には乏しいものの,線維化の程度や心筋細胞の変性や脱落の程度は予後を