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ア心筋症のような全身性疾患を鑑別する.これらの疾患は一部を除き,移植適応とはならない.第三に心筋炎,周産期心筋症,飲酒中止後のアルコール性心筋症,服薬中止後の薬剤誘発性心筋症のように,自然回復にある程度の時間が必要な疾患は,その回復の判断に十分時間をかけることが移植適応決定に必要となる. 拡張相肥大型心筋症は,以前に心肥大の存在が確認され,現在心拡大,左室収縮能低下を示している症例にて疑うこととなる.特異的な治療法が存在しない点は拡張型心筋症と同様であるが,予後不良であるため,早めの心臓移植登録が望ましい31). 1.1.2 虚血性心筋疾患 血行再建の余地が残されている冠動脈狭窄がないこと,または存在しても生存心筋が失われていること,その虚血心筋量が小さく,心筋虚血が改善しても予後の改善に至らないことを示す必要がある. 1.1.3 その他(日本循環器学会および日本小児循環器学 会の心臓移植適応検討会で承認する心臓疾患) 上記以外の疾患として,図11 に示すように拘束型心筋症(RCM),心筋炎後心筋症,心臓サルコイドーシスなどが比較的多く登録されている30).近年,筋ジストロフィーは古典的病型分類だけではなく,責任遺伝子・蛋白に基づいた分類もなされるようになってきている.また,同じ遺伝子に変異が起こっても異なる病型を示す場合(表現型多様性)も知られてきた.また病型が確定しない症例もいる. そのため,心臓以外の病態が今後予後を決定しないことを示す必要があり,専門医の診断および見解を意見書として提出する必要がある.心臓サルコイドーシスについては,心外のサルコイドーシスの所見がある場合には,それが少なくとも5 年間の予後を規定していないことについて専門医が認める場合には移植適応となりうる32).幼小児期からの複数回にわたる開心術の影響,解剖学的右心室を体心室とする疾患群の存在,Fontan 術後症例など先天性心疾患は移植適応判定が難しく,またVAD の適応も限られているという現状がある. 1.2 絶対的除外条件 絶対的除外条件を表6 29)に示す.肝臓や腎臓に不可逆的機能障害がある症例は除外となる.表6 のb. に示す活動性のある感染症罹患者は絶対的除外条件に当てはまる.また,ウイルス感染症の既往のある患者は表6 のb. に示す条件があることに留意する.肺血管抵抗が血管拡張薬を使用しても6 Wood 単位以上の肺高血圧症は心臓移植単独の適応判定の絶対的除外条件になる(心肺同時移植の適応を検討する).悪性腫瘍既往のある患者は専門医やキャンサーボードによる評価が必要である. 拡張型心筋症..................439拡張相肥大型心筋症......72肥大型心筋症........................1拘束型心筋症.....................15 DCM/RCM...............................3虚血性心筋症.....................69弁膜症.......................................3 ARVC .......................................10サルコイドーシス...........13周産期心筋症........................4心筋炎後心筋症................31薬剤性心筋症.....................12 Becker.....................................19 Duchenne 保因....................1先天性心疾患........................9 Marfan.......................................2川崎病.......................................1 DCM+ICM の2 例をDCM に分類DCM の1 例はdextrocardia RCM+VSD の1 例をRCM に分類Marfan+ICM の1 例をMarfan に分類 439 1 2 9 1 19 12 31 4 13 10 3 69 3 15 1 72 (疾患名) (例数) (合計704 例,2022 年12 月31 日現在) 図11 心臓移植患者の適応疾患(一般社団法人 日本移植学会.ファクトブック2023 30)より)