p.24 抽出テキスト
4 移植ネットワーク登録. 5 植込型VAD 装着(長期待機期間を安全に管理するため,成人患者の場合ほとんどの患者が植込手術を受ける). 6 移植待機(植込型VAD を装着した場合はおもに在宅管理). 7 移植ドナー発生. 8 心臓移植実施. 9 移植後の管理. 上記の過程に関わるメディカルスタッフ,コーディネーターは,施設ごとで名称は異なるが以下の職種である. メディカルスタッフ:医師は,心臓血管外科・循環器内科を中心に,麻酔科,小児科,病理部,検査部,薬剤部,画像診断部,感染症科,呼吸器外科,精神科,血液内科,臓器移植に関わる部門,集中治療部,リハビリテーション科などがある. ほかに,看護師(外来,病棟,ICU,手術室),薬剤師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,臨床工学技士,ソーシャルワーカー,レシピエントコーディネーター,人工心臓管理技術認定士,栄養士などが関わる.各部門の担当者は,移植に至る過程で情報共有しながら,チームとなり移植医療に携わっている. コーディネーター:レシピエントコーディネーターは,移植の情報提供,意思決定,移植登録,移植待機期間の管理,植込型VAD 装着例での在宅管理,移植手術,その後の管理での患者のサポートにおいて非常に重要な役割を担っている.コーディネーターの役割には大きく分けて,患者・家族の意思決定支援,患者・家族そして移植チーム 内の円滑な連携と調整,患者家族の指導教育・継続フォローがある.患者が移植を考え始めた初期の段階からの意思決定支援に始まり,移植までの長い待機期間のサポート,移植手術前後の急性期,そして移植後,生涯続く健康管理支援など,移植のすべての過程において患者に関わる存在である.患者にとって一番の理解者として,移植チーム内へ患者の情報を発信するなど,さまざまな多職種が関わる移植チーム内の調整役として活動している. レシピエントコーディネーターになるためには,日本移植コーディネーター協議会(通称JATCO)が年に1 回開催している総合研修会,看護協会が年に1 回開催している研修の2 種類のどちらかの研修を受講する必要がある.また臓器移植に従事してから2 年以上の経験が必要である. 移植医療は,非常に専門性が高く,これに関わる各分野の人材育成は,日本の移植医療の大きな課題である.レシピエントコーディネーターの実態調査では,多数の移植を行う実施施設以外では,通常勤務と兼任している例もあった.これは移植件数によっては,施設で専任での雇用が難しい現状を反映していると考えられるが,専門的な資格を得た人材が継続的に診療に携わることこそが,より安全で良好な患者の予後を目指すうえでは重要であると思われる.移植に関わる各認定資格を診療報酬制度に結びつけることで,専門性に根差したインセンティブを確保するなどの対策が必要である. 患者移植 医師コーディネーター 医療スタッフ 支援植込型VAD 装着下で移植待機 移植への意思決定レシピエント 適応申請レシピエント 登録移植ドナー 発生 図10 重症心不全患者が心臓移植を受けるまでの流れ