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p.22 抽出テキスト

て,JOT あっせん対応本部では,レシピエント選択基準(3章3 レシピエントの選択を参照)に基づき,E-VAS で移植登録者の検索を行う.

従来は,第2 回法的脳死判定後にJOT から移植施設への意思確認を実施されていたが,臓器摘出術までの時間が切迫していることも多く,移植施設での移植候補者の受け入れ,手術準備,摘出チームの派遣など短時間で調整する必要があり,業務負担が大きかった.

2017 年12 月より臓器移植の円滑な実施を目的として,第1 回法的脳死判定後にJOT から各臓器上位5 人の移植施設(同一の移植施設の場合は,2 施設以上)へ意思確認の早期化連絡を実施している.この早期化連絡では,JOTから移植実施施設に,臓器提供事例があるという事実,選定されている上位候補者氏名,ドナーの発生地,年齢,性別,血液型,身長,体重,原疾患,第2 回法的脳死判定や臓器摘出術のスケジュールなど基本情報が口頭で伝達され,移植施設にて受け入れ体制などを事前に整えることができるようになった.

なお,早期化連絡の時点で候補者に連絡するかどうかは移植実施施設の判断に任されている.また,明らかにドナー条件やサイズ差などにより受諾しない場合は,早期化連絡の時点で辞退することができる.

第2 回法的脳死判定が終了した後に,JOT から移植施設への正式な意思確認の連絡が改めて行われ,ドナーの詳細情報,メディカルコンサルタントの評価結果,リンパ球交差試験の結果などがドナーデータ伝達システム(DDDS)で伝えられる.早期化連絡の時点で辞退した場合は,電話連絡はされないが,DDDS は送信される.受諾・辞退の連絡は,意思確認票の書面での返信を行う必要がある.受諾の際は,最新の保存血清採血日以降で輸血歴の有無を把握し,輸血歴があった場合は,改めて採血を行ったうえで,再度リンパ球交差試験の実施が必要である.

早期化連絡を含めた意思確認について,JOT では効率化と業務負担軽減のため,自動化・電子化を進める予定となっている.

2.3 移植後の情報収集における 日本循環器学会との共同事業

これまで心臓移植を受けた患者の予後調査については,心臓移植実施施設から日本循環器学会,JOT のそれぞれで行われていたが,同一レシピエントについて重複した報告が必要であり,事例数の増加に伴って移植実施施設の負担が大きくなっていた.そこで,日本循環器学会とJOT で協議し,個人情報保護の遵守の下,2024 年度より一本化することとなった(図7).

今後は各移植施設からの移植後の予後調査については, JOT への報告に統一され,JOT から日本循環器学会に第三者提供されることになるため,各心臓移植施設の負担軽減になり,悉皆性が担保される仕組みとなる(Step 1,図8 ).なお,データの第三者提供の同意については,各心臓移植施設にて患者から取得されている.

さらに今後は,Step 2 として,日本循環器学会とJOT のデータベースの統一を発展させ,日本移植学会などの関連学会と協議し,Transplant Central Registry(TRACER)として全臓器の死体移植データベースを一元化する方向で取り組んでいる(図9).さらに最終的な理想形となるStep 3として,生体移植のデータも統一し,わが国の臓器移植データを一元化し悉皆性を担保するデータベースの構築を計画している(図8).

3 メディカルスタッフと コーディネーター

現在国内の重症心不全の患者が心臓移植を受けるまでの一般的な過程は以下のようになっている(図10). 1 重症心不全の治療選択肢として「心臓移植」の提示. 2 心臓移植レシピエント登録にあたっての意思決定. 3 心臓移植レシピエント適応申請.

図7  心臓移植患者における日本循環器学会(JCS)とJOT

のデータベースJOT

JCS移植施設1

3 2 2	 移植希望者の診療情報,移植者の移植後経過情報

JOT

JCS移植施設

1は,2のデータの一部

3は,2のデータの一部

従来(2024 年度以前)

今後(2024 年度から)