p.20 抽出テキスト
1.2 JOT への登録 心臓移植希望者は,日本循環器学会心臓移植適応検討部会(または各実施施設内適応検討会)の適応評価を経て,移植実施施設よりJOT へ登録申請される26).JOT への登録申請は,1移植実施施設によるレシピエント検索システム(E-VAS)へのデータの入力と登録申請,2移植希望者による新規登録料の払込受理が完了した時点で登録となり,その日時から希望者は移植候補の対象となり待機日数が加算される.登録後は1 年に1 回の更新手続き,すなわち,移植実施施設への受診および更新料の払込が必要となる.なお,生活保護世帯や住民税非課税世帯は,生活保護受給証明書や世帯全員の住民票・非課税証明書など所定の書類を提出することにより,新規登録料および更新料が免除される. 2 JOT 2.1 移植医療における機能 JOT は,臓器移植法第12 条の「業として行う臓器のあっせんの許可」を受けており,わが国における心臓を含む臓器あっせん機関の役割を担っている. 2.1.1 基盤整備業務 JOT では,一般市民への普及啓発,臓器提供施設の院内体制整備業務,移植希望者の登録更新業務(1. レシピエント登録手順を参照),レシピエントの経過報告など医学情報の収集業務(2.3 移植後の情報収集における日本循環器学会との共同事業を参照),ドナー家族支援などの基盤整備業務を担っている. 2.1.2 臓器あっせん業務(図6) 27) 臓器あっせん業務は,JOT に所属する臓器移植コーディネーター約30 人,各都道府県行政により任命され,JOTが委嘱する都道府県臓器移植コーディネーター約60 人が担っている. 脳死下臓器提供が可能な施設(大学附属病院,日本救急医学会指導医指定施設,日本脳神経外科学会基幹施設・認定施設,救命救急センターとして認定された施設,日本小児総合医療施設協議会の会員施設のいずれかであり,臓器摘出について合意が得られており,適切に脳死判定を行 う体制がある施設)にて,脳死とされうる状態(法的脳死判定から無呼吸テストを除く検査を満たした状態)の患者がおり,家族が脳死下臓器提供について説明を聞く希望がある場合,JOT に連絡が入り,臓器移植コーディネーターが派遣される.派遣されたコーディネーターはドナー適応基準に照らし合わせて適応判断を行った後,患者家族に臓器提供について説明する.家族の総意で脳死下臓器提供の希望があった場合は,脳死判定承諾書・臓器摘出承諾書に署名を得る.移植検査センターへ患者の血液検体を搬送し,ウイルス感染症,ヒト白血球抗原(HLA)検査,リンパ球交差試験を実施する. 臓器提供施設においては,6 時間の間隔(6 歳未満においては24 時間間隔)をあけて2 回の法的脳死判定が実施され,2 回目の脳死判定終了時刻が死亡時刻となる(4 章1.1 法的脳死判定を参照).第1 回法的脳死判定終了後に, JOT の調整によりメディカルコンサルタントを派遣し,ドナーの医学的適応評価(超音波検査,気管支鏡検査など)を実施するとともに,循環・呼吸管理(4 章1.3 メディカルコンサルタントの役割,1.4 ドナー管理の要点を参照)の助言を行う. JOT コーディネーターは,臓器摘出手術の集合日時に合わせて臓器提供施設に派遣された心臓を含む各臓器の摘出チームを迎え入れ,第三次評価(4 章1.5 3 次評価の実際を参照),摘出チームミーティングを実施する.その後, JOT 摘出手術担当コーディネーターは,臓器摘出手術の連絡調整を行う.摘出された臓器は,順次,臓器提供施設から移植施設までJOT が手配した経路により搬送される(4章3.1 虚血時間と臓器搬送時間を参照).臓器提供施設から臓器が出発する際に,ドナー家族が声を掛けながら見送ることも多い.臓器提供後,JOT コーディネーターは,ドナーの死亡退院の見送りに立ち会う.このタイミングで心臓移植施設より移植心の心拍が再開した旨の連絡が届くと,ドナー家族に報告する. 臓器提供直後,1 ヵ月,3 ヵ月,6 ヵ月,1 年のタイミングで,JOT コーディネーターはドナー家族に対して,移植施設から受けたレシピエントの経過を報告する.また,ドナー家族へ厚生労働大臣の感謝状やレシピエントからのサンクスレターを届ける.さらに臓器提供施設にも移植後の経過を報告する. 2.2 ドナー早期化連絡・ レシピエント意思確認 臓器提供施設において実施される法的脳死判定と並行し