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p.18 抽出テキスト

疑いがある場合に適切に対応するための必要な措置を講ずるものとすると定められている.また,指針第5 において,児童からの臓器提供については,虐待防止委員会などの院内体制の整備,および児童虐待の対応に関するマニュアルなどの整備が求められている.

このため,脳死・心臓死の区別にかかわらず,児童(18歳未満の者)からの臓器提供については,通常の診療の過程において,院内体制の下で児童虐待の防止等に関する法律(平成12 年法律第82 号)第6 条第1 項の規定による通告を行わない場合,または,通告の後,医学的理由などにより当該児童について虐待が行われたとの疑いが否定された場合については,その旨を関係機関に連絡したうえで,市区町村,都道府県の設置する福祉事務所または児童相談所が虐待として介入していないことが確認できた場合には,院内倫理委員会などの確認のもとに臓器の摘出を行って差し支えない17).

一方,虐待の関与は確定しないが,児童相談所や警察への照会により,過去の通告歴・通報歴がないことが明らかであり,司法解剖が不要と判断された場合や,虐待の関与がないことが明確である場合は,臓器提供を行うことができる24a).

もし,当該児童について虐待が行われた疑いがあると判断した場合には,児童からの臓器提供を行う施設は,児童相談所などへ通告するとともに,警察署へ連絡するなど関係機関と連携し,院内体制の下で当該児童への虐待対応を継続することとしたうえ,臓器の摘出は行わないこととされている.臓器提供を行う場合の対応として,主治医などは施設内の虐待防止委員会などと情報共有を図って必要に応じて助言を得たうえで,倫理審査委員会などにおいて臓器提供の可否について検討し判断することが求められる.

第2章 心臓移植に関わるコーディネーション

1 レシピエント登録手順

1.1 心臓移植希望者の適応評価

臓器移植法第2 条の基本的理念において,臓器の移植は人道的精神に基づいて提供されたものであることから,必要とする者に対して適切に行わなければならないと規定されている.心臓移植希望者は,日本循環器学会で定められた手順に従って適応評価を受け,JOT へ登録可能となる.

心臓移植レシピエントの適応基準は,日本循環器学会心臓移植委員会にて決定されている25).心臓移植の適応は,移植以外に患者の命を助ける有効な治療手段はないのか,移植治療を行わない場合,どの位の余命があると思われるかなどを考慮して決定する.心臓移植の適応となる疾患は,従来の治療法では救命ないし延命の期待が持てない拡張

型心筋症,および拡張相の肥大型心筋症,虚血性心筋疾患,その他(日本循環器学会および日本小児循環器学会の心臓移植適応検討会で承認する心臓疾患)などの重症心疾患とされている.年齢は65 歳未満が望ましく,除外条件が定められている.

心臓移植登録の可否は,各実施施設内適応検討会および日本循環器学会心臓移植委員会適応検討部会の2 段階審査を経て公式に適応を決定する.心臓移植は適応決定後,本人および家族のインフォームドコンセントを経て, JOT の移植患者待機リストに載った者を対象とすることとなる.

非移植実施施設においては,自施設の移植適応検討委員会で検討したとしても,日本循環器学会心臓移植適応検討部会に移植適応検討申請をする前に,実施予定施設に相談のうえ,当該患者の実施施設として同意を得る必要がある(図4).2015 年5 月より登録までの迅速化と簡略化を図るために,心臓移植実施数50 例以上で適切に心臓移植希望者の評価を行っている施設については,自施設内適応判定