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p.12 抽出テキスト

そして最後に添付資料として,移植後に行うべき免疫抑制治療について,わが国の優れた心臓移植成績を裏打ちする代表的な薬物治療の実際と「多様性」も内在する免疫抑制治療プロトコール(付表1)をいくつか掲載することとした.そこには多くの共通点とバリエーションが織り成した実例が記載されている.それらを参照することで,移植後に必要な免疫抑制療法とそれに関連する補助療法の本質がみえるようにするとともに,許容されるバリエーションについての理解が進むことを期待したい.そして,それらが今後新規に参入する心臓移植施設にとって有用な情報となることを願っている.

そのほかの方針としては,心臓移植と関連性の深い心不全あるいは補助人工心臓に関わるガイドラインとの整合性に留意し,できるかぎりそれらのガイドラインとの重複記載を回避した.

本ガイドラインの役割は心臓移植に関係する医療現場における判断の参考となることを企図し,最新の医学情報を提供することにほかならない.具体的な患者・対象者の治療や管理に関する最終的判断は,担当医師や医療スタッフがその個別の患者・対象者にとって望ましい患者中心の治療を設定し,共有しながら形成されていくべきものであることを記したい.本ガイドラインがその一助になれば幸いである.本ガイドラインの策定方法:推奨・エビデンスレベルの記載法

推奨クラスとエビデンスレベルの記載は,従来のガイドラインの記載方法を踏襲した(表1,2).これらは,これまで公表された論文に基づいて執筆者が判断し,最終的に全班員と協力員による議論と外部評価委員による査読により決定した.

表1 推奨クラス分類

クラスI手技・治療が有効・有用であるというエビデンスがある,あるいは見解が広く一致している.クラスIIaエビデンス・見解から,有効・有用である可能性が高い.クラスIIbエビデンス・見解から,有効性・有用性がそれほど確立されていない.クラスIII No benefit手技・治療が有効・有用でないとのエビデンスがある.あるいは見解が広く一致している.クラスIII

Harm手技・治療が有害であるとのエビデンスがある,あるいは見解が広く一致している.

表2 エビデンスレベル

レベル A複数の無作為化介入臨床試験またはメタ解析で実証されたものレベル B単一の無作為化介入臨床試験または無作為化介入でない大規模な臨床試験で実証されたものレベル C専門家および/ または小規模臨床研究(後ろ向き研究および登録を含む)で意見が一致したもの