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p.109 抽出テキスト

移植実施年:1992 ~2017 年

生存率100 75

50 25

0 移植後年数

0 1 2  3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

1992 ~2001 年(N=281) 2002 ~2009 年(N=108) 2010 ~2016,2017 年

(%)

図39 小児心肺同時移植の時代別生存曲線(International Society for Heart and Lung Transplantation (ISHLT). 2019 7)より)

考えられる.

また,多臓器移植においては,現在,日本では膵臓・腎臓同時移植が広く行われており,肝臓と腎臓,肝臓と小腸などの組み合わせ移植も少数ながら実施されている599).

一方,海外では,心臓と肺,心臓と肝臓,心臓と腎臓の同時移植は治療の選択肢として確立され,適応の適格化と

周術期管理の習熟により治療成績は改善している.今後わが国でも,多臓器移植でしか救うことができない患者に対する治療法として,さらなる検討が進むことが期待される.

第9章 心臓移植と社会

1 移植医療の普及啓発

1.1 移植医療の特殊性

移植医療は,移植医療を受ける患者とその医療行為を提供する二者間でのみ成り立つのではなく,臓器提供者(ドナー)の存在により成立する医療である.第三者の善意による臓器の提供がなければ成り立たず,提供施設の協力も必要で,一般市民への普及啓発や臓器搬送時には行政機

関も関わることになるため,移植医療が社会に普及していくには医療全体に対する理解と信頼を得ることが不可欠である.

心臓移植などの脳死下臓器提供の場合,ドナーの多くは脳死発生の数日前までは元気に生活していた人である.不意に訪れた不幸の死に対し,残された家族は臓器提供の可能性を考えることになる.臓器提供や移植医療について,健康な人も常々考え,自分の意思を家族と共有しておく必要がある.