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5 右左短絡性心疾患の管理 5.1 機能的単心室とフォンタン循環 5.1.1 概要 フォンタン循環は,狭義の単心室だけでなく,左室が主心室になる三尖弁閉鎖,右室が主心室になる左心低形成症候群など,実際にはさまざまな先天性疾患を含む二心室修復が困難な複雑心奇形(機能的単心室)に対して行われる手技である.1968年にFontanらによって三尖弁閉鎖症の女児に初めて施行された191)のがはじまりである.1990年に心外導管を使用した上下大静脈肺動脈吻合法(TCPC)が導入されて以降192),現在に至るまでTCPCがフォンタン 循環の主流となっている.もっとも致命率が高いとされてきた左心低形成症候群でも最終手術到達率は70~80%を超えるようになり193, 194),フォンタン循環の児童生徒が通常学級で学校生活を過ごすことは珍しくなくなった.フォンタン循環特有の血行動態と明らかになってきた長期合併症・続発症について理解し,適切な生活指導管理につなげていくことが求められる. 5.1.2 フォンタン循環と明らかになってきた合併症/続発症 フォンタン循環到達後は,単心室から動脈血が体循環に,体静脈血は直接肺に還流する(図20).機能的単心室の大きな問題点であった低酸素血症の解消と機能的単心室への容量負荷軽減を実現することにより生命予後の改善が期待できる.ただし,フォンタン循環特有の血行動態(図21)により,中心静脈圧上昇による全身臓器のうっ血,灌流圧低下による低心拍出状態が持続,また体静脈肺静脈側副 図20 単心室循環からフォンタン循環へ 単心室 単心室循環(未治療) 上半身 下半身単心室上半身 下半身 単心室から酸素飽和度の低い混合血が体循環,肺循環両方に送り出される.チアノーゼは必発であり,単心室には強い容量負荷がかかり続ける.単心室からは動脈血が体循環に,すべての体静脈血は直接肺に還流する.チアノーゼは解消し,単心室の容量負荷も軽減する. フォンタン循環 図21 ニ心室循環とフォンタン循環の血行動態 A.ニ心室循環 血圧 全身還流圧 右室左室左室は体循環を,右室は肺循環を担う.中心静脈圧は低く,全身還流圧も良好に維持される.単心室は体循環のみを担う.肺循環は静水圧で維持される.中心静脈圧は自然と高くなり,全身還流圧は低下する.骨格筋・呼吸ポンプはフォンタン循環の改善に寄与する. B.フォンタン循環 全身還流圧 単心室