GL検索 v0.1.0
画像は 50 ページを描画したものです
page 50

p.50 抽出テキスト

電図所見において,下壁および前胸部誘導でのT波陰転,前胸部誘導のT波の不連続性[V1~V3(中学生)またはV4 まで(小学生)陰性(5 mm以上)でV5 から陽性T波]が健康小児と小児ARVCの鑑別点として重要との報告がある151).さらに,脱分極異常,すなわち右側前胸部誘導(V1~V3)におけるε波(QRS 波終末からT波の開始の間の再現性がある低振幅信号)の存在も有用とされる.

2.6.4 2次以降の検診で必要な診察・検査項目

心エコー,心臓MRIによる右室形態異常の確認,ホルター心電図,心室不整脈[心室期外収縮(PVC),非連続性心室頻拍(NSVT),VT]の確認,加算平均心電図での遅延電位(LP)陽性の確認,家族歴の聴取を行う.

2.6.5 2次以降の検診で専門医紹介を必要とする所見

心エコー検査で右室の拡大と壁運動異常(右室の低収縮・無収縮や瘤など),心電図異常,心室不整脈のいずれかを認める場合には,専門医に紹介する.

専門医施設では上記に加え,右室造影,心筋生検(心筋症,心サルコイドーシスとの鑑別にはPET-CTも),心臓MRI(ガドリニウム造影)やVTの診断のためのEPSを行う.さらに,可能であれば遺伝学的検査を実施する.

ARVC/ACMの診断とリスク評価および管理指導区分の条件と観察間隔に関する推奨とエビデンスレベルを推奨表13,14にそれぞれまとめた.

3 心筋症,心筋炎の管理

日本小児循環器学会の2005~2020年の調査152)では,肥大型心筋症は年間0.008%(8.1人対10万人)の発症がみられ,心筋症全体の33.3%を占める.さらに,本疾患患者の59.8%が学童期(6~18歳)に診断されている.一方,拡張型心筋症は年間0.008%(8.3人対10万人)の

発症がみられ,心筋症全体の33.9%を占める.また,本疾患患者の28.3%が学童期に診断されている.さらに,心筋症全体の4.6%を占める拘束型心筋症は,年間0.001%(1.1人対10万人)の発症がみられ,50.0%が学童期に診断されている.

また,心筋症全体の25.9%を占める心筋緻密化障害は,年間0.006%(6.3人対10万人)の発症がみられ,36.2%が学童期に診断されている.心筋症全体の2.3%を占める不整脈原性右室心筋症は,年間0.0005%(0.5人対10万人)の発症がみられ,77.8%が学童期に診断されている152).

推奨表13  ARVC/ACM の診断とリスク評価に関する推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

ARVC/ACM の診断に2010 年のTask Force Criteria139) を用いる. I C心室機能障害と構造的変化を評価するために心エコー,とくに心臓MRI を行う. I B ARVC/ACM の診断のために,12 誘導心電図で胸部誘導のT 波の陰転,ε波の評価を考慮する. IIa C ARVC/ACM を疑うまたは診断確定の場合に遺伝カウンセリングと遺伝学的検査を行う. I B ARVC/ACM を疑うまたは診断確定の場合に競技スポーツなど激しい運動は控えるよう指導する. I B ARVC/ACM に関連する遺伝子の病的バリアントを有する未発症キャリアに競技スポーツなど激しい運動を控えることを考慮してもよい. IIb C ARVC 患者の一親等の家族への心電図・心エコー検査を勧める. I C

推奨表14 ARVC/ACM の管理指導区分の条件と観察間隔に関する推奨とエビデンスレベル

管理指導区分の条件管理指導区分観察間隔推奨クラスエビデンス

レベル

2010 年Task Force Criteria139) によりARVC/ACM と確定診断された場合C 禁またはD 禁1~3ヵ月または必要に応じてI C上記にてARVC/ACM 境界とされた場合D 禁またはE 禁3~6ヵ月または必要に応じてIIa C上記にてARVC/ACM の可能性とされた場合E 禁またはE 可6ヵ月~1 年または必要に応じてIIb C