p.45 抽出テキスト
短い傾向があり,わが国の健康小児をもとにしたQTc (Bazett補正値)短縮の基準値は,以下のように提案されている23); ・小学1年男子 325 ms以下,・中学1年男子 315 ms以下,・高校1年男子 305 ms以下,・女子: 小学・中学・高校1年とも320 ms以下さらに小児期のSQTS患者と健常人との比較では,QTc 316 msが最適なカットオフ値であった(感度79.4%,特異度96.7%) 123). 2.3.3 2次以降の検診で必要な診察・検査項目 12誘導心電図,運動負荷心電図(トレッドミル検査など),ホルター心電図を施行する.SQTSでは早期再分極の頻度が高いこと124),J point T peak間隔の短縮125),心拍変動に伴うQT間隔の変化が不良であること126),PQ segment depression 127)が参考になる.カルニチン欠乏による二次性のQT短縮にも注意する128).SQTSに対する遺伝学的検査は診断の参考になるが,わが国では保険適用はない.なお,SQTSの診断基準は,いまだ明確には定まっていない.2022年の欧州心臓病学会(ESC)のガイドライン83)では,1QTc ≦320 ms(IIa),2QTc ≦360 msで以下の条件を1つ以上満たす場合; 病的バリアントの同定(推奨クラスI),SQTSの家族歴(推奨クラスI),器質的心疾患を伴わないVT/VFの既往(推奨クラスI),不整脈による失神の既往(推奨クラスIIa),40歳以下での突然死の家族歴(推奨クラスIIb)と提唱されているが,小児でのデータは非常に限定的である.また,Gollobらの臨床診断スコアも参考になる129). 2.3.4 2次以降の検診で専門医紹介を必要とする所見 2次以降の検診で専門医紹介を必要とするSQTSの所見に関する推奨とエビデンスレベルを推奨表7にまとめた. 図17 SQTS の12 誘導心電図所見 I II III aVR aVL aVF V1 V2 V3 V4 V5 V6 HR 61bpm, QTc 220ms 500ms 1mV 推奨表5 CPVT の管理指導区分の条件と観察間隔に関する推奨とエビデンスレベル 管理指導区分の条件管理指導区分観察間隔推奨クラスエビデンス レベル CPVT と診断された場合B 禁,C 禁またはD 禁水泳禁1~3ヵ月I C CPVT が疑われた場合* D 禁またはE 禁6ヵ月IIa C適切な薬物治療によりCPVT に起因する失神あるいは心室頻拍が回避されている場合C 禁またはD 禁3ヵ月IIb C *運動時や精神的緊張時の失神,けいれん,動悸やめまいの既往歴があるが,CPVTの診断基準を満たさない場合 推奨表6 SQTS の1 次検診抽出基準に関する推奨とエビデンス 1 次検診抽出基準抽出区分推奨クラスエビデンス レベル QT 間隔計測は手動計測(接線法)による抽出を行う. I C QTc(Bazett 補正値)≦320 ms A IIa C QTc(Bazett 補正値)321~ 360 ms * B IIa C *以下の項目のうち,1つ以上あれば抽出: 失神の既往,QT短縮症候群の家族歴,40歳以下での突然死の家族歴