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p.29 抽出テキスト

よれば,PAD発生率は最初の全国的な緊急事態宣言時(P < 0.001)とパンデミック2年目(P < 0.01)に低かった. PAD発生率は場所に関係なく,パンデミック中はパンデミック前にくらべBLSおよび救急隊と患者の接触により遅れがみられ,PADによる自己心拍再開率はより低かった. PAD発生率の低下は,AEDの設置が推奨された場所でのみ有意であった(P < 0.001).その他の地域では,パンデミック時にBLSの遅れが顕著であった.神経学的に良好な生存率は,パンデミック中のPAD発生率の低下に伴って低下した(r = 0.612,P = 0.002).

さらに,緊急事態宣言前後ではAED使用率が有意に減少した32).その影響は緊急事態宣言発令地域において顕著で,この変化は緊急事態宣言が最初に発令された都府県で特に顕著であった(図7) 32).

これらの結果から,COVID-19流行に伴う緊急事態宣言が一般市民の救命行動の遅れや控えなどを招き,OHCA患者の予後に間接的な悪影響を及ぼしたことが示唆される(図8) 33).学校管理下における児童生徒を対象とした検討はなされていないが,迅速なBLSの重要性が改めて示され,パンデミック時でも適切な対応を促す必要があるだろう(推奨クラスIb,エビデンスレベルC).

5 学校心臓検診のわが国における現 状と費用対効果

学校心臓検診は1973年に学校検診の必須項目に指定されたが,その方法は地域によってさまざまであった.その後,心電図検診の有用性が認識されるようになり,1995年には小・中・高校の1年生全員への心電図検査が義務づけられ,1次検診の中心となった.

1次検診では,対象となる児童生徒全員に行われる心電図検査に,心臓検診調査票(既往歴・家族歴などに関する問診)と学校医の診察所見が加味されたうえで判定されるのが一般的である.精密検査が必要と判断されると,小児循環器科または循環器内科などの医師による診察と追加検査が施行され,最終的な診断と学校生活管理指導(生活および運動制限の範囲)や診療方針(治療・受診間隔)の説明が行われる.しかし,学校心臓検診の具体的な方法は各自治体にゆだねられており,実施方法は各自治体それぞれ

図7 COVID-19 の緊急事態宣言後のAED 使用率と神経学的予後良好例の割合COVID-19の緊急事態宣言後にAED使用率が急激に低下(Katasako A, et al. 2023 32)より) ©2023 Katasako A, et al. CC-BY-NC-ND 4.0

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緊急事態宣言が最初に発令されなかった都道府県緊急事態宣言が最初に発令された都道府県

A E D使用率神経学的予後良好割合(%)

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