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p.8 抽出テキスト

practical question(PQ)として作成した.

市民・患者への情報提供

現在,日本循環器学会ガイドラインの利用者は,実際に診療に従事する当該疾患の専門医はもちろんのこと,非専門医・プライマリーケア医に加えて,一般市民・患者にまで広がっている.このようなガイドライン利用者の多様化の背景には,患者・家族と医療従事者とで病気や治療について情報を共有し,十分に協議し合意を形成するプロセス

の重要性が浸透してきていることがあげられる.さらに共同意思決定を推進していくうえで,市民・患者への情報提供は重要であり,本フォーカスアップデートも不整脈治療に関する6 つの話題について掲載した.

ガイドラインの公表と利益相反(COI)

本フォーカスアップデートは日本循環器学会,日本不整脈心電学会が合同で作成し,日本心血管インターベンション治療学会,日本心不全学会,日本脳卒中学会の3 学会に参加してもらった.COI について,班長・副班長・班員・協力員は日本循環器学会の定める指針にしたがい, 2021 ~2023 年の3 年間について申告を行った.ガイドライン作成組織構成員のCOI は巻末の付表に掲載した.6 人の専門の外部評価委員に査読を依頼し,得られた意見に基づいて適宜修正を行い,日本循環器学会診療ガイドライン部会の承認を得て最終稿とした.

最後に,本フォーカスアップデートの役割は,他の日本循環器学会ガイドラインと同様に,日常診療で最新の治療を安全かつ有効に実施できるような情報を提供することである.しかし実臨床においては,患者や臨床背景はさまざまであり,また治療に対する反応も多様であることから,画一的な治療が難しい.具体的な患者治療や管理に関する最終判断は担当医師や医療スタッフが,その患者や家族と個別に目標を設定し情報共有・意思共有を適宜行いながら治療方針を決定していくことが必要である.本フォーカスアップデートがその一助になればと考える.

表1 推奨クラス分類

クラスI手技・治療が有効・有用であるというエビデンスがある,あるいは見解が広く一致しているクラスIIaエビデンス・見解から,有効・有用である可能性が高いクラスIIbエビデンス・見解から,有効性・有用性がそれほど確立されていないクラスIII No benefit手技・治療が有効・有用でないとのエビデンスがある.あるいは見解が広く一致しているクラスIII

Harm手技・治療が有害であるとのエビデンスがある,あるいは見解が広く一致している

第1章 植込み型心臓電気デバイス

1 植込み型除細動器(ICD)の 一次予防適応

低心機能症例に対するICD の一次予防適応に関しては,複数のRCT において検討され,左室駆出率(LVEF)≦ 35% の心不全患者に対する突然死予防効果が示されてい

る9, 10).一方で,DANISH では,非虚血性心筋症患者における一次予防について,ICD の有用性は明確でないという結果であった11).DANISH を加えた6 つの非虚血性心筋症に関する試験のメタ解析12)では,ICD によって相対死亡率が有意に低下することが示されたものの,ICD がより有用な患者集団を抽出することが必要である.

表2 エビデンスレベル

レベルA複数のランダム化介入臨床試験またはメタ解析で実証されたものレベルB単一のランダム化介入臨床試験またはランダム化介入でない大規模な臨床試験で実証されたものレベルC専門家および/ または小規模臨床試験(後ろ向き研究および登録を含む)で意見が一致したもの