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心臓電気デバイスのリード抜去について教えてください

リード(導線)の抜去は正式名称を経静脈リード抜去術とよび,心臓や血管に植込まれたペースメーカや除細動器のリードを体内から取り除く手術です.リード抜去は,おもにデバイスやリードに感染を起こした患者さんに行われますが,リードが長期間使われたことによる摩耗や血管の閉塞,強い痛みなどに対応して行われる場合もあります.

リードは植込みから長時間経過すると,心臓や血管に癒着します.柔軟な樹脂で覆われたリードを壊さず,安全かつ完全に抜去するためには,専用の機器と専門的知識,技術が必要となります.リード抜去を行うには施設および術者の認定基準を満たす必要がありますので,かかりつけ医療機関が基準を満たしていない場合は,専門施設へ紹介が必要となります.

リード抜去はそれを必要とする患者さんには大変有用な治療ですが,リードが強く癒着している位置によっては生命を脅かすような大出血が起こる危険性があり,そのリスクは最大で約2% と報告されています.大出血が生じた場合は外科的な開胸手術が必要になりますので,心臓血管外科医との連携も大変重要です.

感染がある場合は,原則として心臓電気デバイスのすべてのリードを抜去することが推奨されています.感染がない場合には治療による利益と危険性を慎重に検討し,決める必要があります.担当医と十分に相談されることをお勧めします.

心臓突然死を予防するために必要な治療を教えてください

日本では毎年約8 万人が心臓突然死で命を落としています.そのおもな原因は,心筋梗塞などの虚血性心疾患や重症な不整脈などです.

心筋梗塞は,心臓に栄養を運んでいる冠動脈が動脈硬化や血の塊で閉塞して血流が途絶えた結果,心筋が壊死する病気です.心筋梗塞は急性心不全や重症の不整脈を引き起こし,突然死の原因となります.また,心臓のリズムが乱れる不整脈のなかでも,心臓がけいれんする心室細動や心室頻拍は心臓突然死を引き起こす重症の不整脈です.この不整脈が起きたときには,すみやかに心肺蘇生が行われ,電気的除細動(電気ショック)により脈を正常化しなければ救命は難しく,助かっても重篤な後遺症が残ってしまうこともまれではありません.

これらが発症する危険性は,適切な予防と治療により軽減することができます.心臓疾患の既往,肥満,高血圧,糖尿病,遺伝的要因などが危険因子(病気の発症率を高める可能性がある要素)です.健康的なライフスタイルを維持し,定期的な健康診断を受けること,そして危険因子がある場合は専門医による適切な治療を受けることが重要です.

不整脈による突然死のリスクが特に高い方には,植込み型除細動器(ICD)による治療を行います.ICD は,いつ発生するか予想が難しい不整脈に対して,心臓の電気的活動を常に監視し,致死性の不整脈を感知するとすぐに電気ショックによる治療を行い,不整脈を自動的に停止させる装置です.心室細動や心室頻拍を起こしたことがある方,重度の心室機能低下や特定の遺伝性心疾患を持つ方に用いられます.

心室頻拍や一部の心室細動は,カテーテルアブレーションで治療することも可能です.カテーテルアブレーションでは,専用のカテーテルを使って,不整脈の原因となる心臓組織を焼いて除くことが可能です.これらの治療は,専門医による適切な診断と評価が必要です.循環器(不整脈)専門医と相談し,適切な治療を受けるよう努めてください.

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