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表22 抗凝固療法高リスクの高齢心房細動患者(抗血小板 薬使用)への対応の推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 抗血小板薬は,原則として使用すべきではない * III Harm B *: PCI 施行後1 年以内は抗凝固薬と抗血小板薬の併用療法が必要で あるが,それ以外は,抗凝固薬の適応となる高齢者における抗血小板薬の使用はむしろ有害である.ただし,ごく一部の症例(ステント血栓症既往例,複雑病変に対するPCI 症例,ワルファリン管理不安定なPCI 症例,左心耳閉鎖デバイス留置症例など)では,抗血小板薬を使用せざるを得ない場合もあると考えられ,判断に悩む場合は,専門医にコンサルトすることが望ましい.表23 抗凝固療法高リスクの高齢心房細動患者(超高齢高 出血リスク)への対応の推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 承認用量での抗凝固薬投与が困難な超高齢高出血リスク * 患者に対して,エドキサバン15 mg を開始するI B *: 80 歳以上かつ,次の1~5のいずれか.115 mL ≦CCr < 30 mL/ 分,2体重≦45 kg,3重要部位での出血既往(脳出血を含む),4NSAIDs の常用,5抗血小板薬の使用.ただし,4, 5においては,その必要性をまずは吟味すること. や左主幹部病変のような重症冠動脈疾患の集団408),ステントの種類(ベアメタル/ 薬剤溶出性第一世代/ 第二世代) 404, 409)のいずれにおいても,単剤の優位性が証明された.また,ステント留置からの経過期間が長い患者ほど,単剤の優位性が際立つことも示され409),長年にわたって併用が継続されている患者においても,単剤へのde-escalationが推奨される. アスピリンは心房細動患者における脳梗塞予防効果は乏しいことが示され410),ESC のガイドラインでは脳梗塞予防を目的とした抗血小板薬の使用を推奨クラスIII としている411).以上を踏まえると,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行後1 年以内は抗凝固薬と抗血小板薬併用療法が必要であるが,それ以外は,抗凝固薬の適応となる高齢者における抗血小板薬の使用はむしろ有害であると考えられた.そのため本フォーカスアップデートでは,心房細動患者には原則として抗血小板薬を投与すべきでない,という総括的な推奨を設けることとした.ただし,血栓リスクのきわめて高いごく一部の症例(ステント血栓症既往例,複雑病変に対するPCI 症例,ワルファリン管理不安定なPCI 症例,左心耳閉鎖デバイス留置症例など)では,抗血小板薬を使用せざるを得ない場合もあると考えられる.判断に悩む場合は,専門医にコンサルトすることが望ましい. 2.7 超高齢高出血リスク(表23) 4 種類のDOAC は,いずれも標準用量と減量用量の2種類の用量があり,患者特性に応じて選択する.なおエドキサバンに関しては,1 日1 回60 mg あるいは30 mg 投与の用量に加えて,ELDERCARE-AF 412)の結果から高齢かつ出血リスクの高い患者において,1 日1 回15 mg の超低用量が2021 年8 月に追加されている. ELDERCARE-AF の対象は,CHADS2 スコア2 点以上の超高齢(80 歳以上)の日本人非弁膜症性心房細動患者で, かつ出血リスクが高く,承認用量での経口抗凝固療法が困難ないし不適格とみなされる患者である.「高出血リスク」は,以下の5 つのいずれかを満たすものと定義された.1 15 mL /分≦CCr <30 mL/分,2体重≦45 kg,3重要部位での出血既往(脳出血を含む),4抗血小板薬の使用が必須,5NSAIDs を連用. このような患者を1:1 でエドキサバン15 mg またはプラセボにランダム化し,有効性と安全性を検討したところ,エドキサバン15 mg はプラセボに比較し,主要有効性エンドポイント(脳卒中または全身性塞栓症)を有意に減らし(HR 0.34,P<0.001),主要安全性エンドポイント(ISTH基準大出血)は数値的には多かったが有意差はなく(HR 1.87,P=0.09),エドキサバン15 mg の有用性が示された. 上記の主解析に続いて,サブ解析の結果も発表されている.年齢サブ解析399)では,80 ~84,85 ~89,90 歳以上の3 群に分けて検討され,どの年齢層でもおおむね一貫した結果であった.ただし,90 歳以上の群では有意差はないものの,エドキサバン群で大出血が多い傾向がみられた.腎機能サブ解析400)では,CCr を15 ~29 mL/分,30 ~ 49 mL/分,50 mL/ 分以上の3 群に分けて解析され,有効性はいずれの群でも一貫していた.しかし安全性については,大出血イベントの多くが15 ~29 mL/分群に集中して起きていた.フレイルのサブ解析413)では,フレイルの有無でエドキサバン15 mg の有効性や安全性に差はなかった. BNP サブ解析414)では,登録時のBNP 値を200 未満, 200 ~400,400 以上の3 群に分けて解析され,これも3群間で有効性や安全性に差はなかった.さらに,エドキサバン15 mg で大出血を起こしやすい危険因子を検討したサブ解析415)では,CCr 15 ~29 mL/分,貧血,プロトロンビン時間延長が有意な因子として認められた. 以上の結果より,ELDERCARE-AF の登録基準を満たすような,超高齢で高出血リスクの心房細動患者において