p.39 抽出テキスト
常電位部分に対する心外膜アブレーションの適応を推奨クラスIIa とした(表17).2024 年2 月現在,ブルガダ症候群に対する心外膜アブレーションの有効性を検討した2 つのRCT が進行中である(NCT03294278,NCT02704416). 近年,右室流出路自由壁以外にも右室下壁や左室側壁に異常電位を有する症例があることが報告されている333, 334).特に12 誘導心電図で下側壁誘導に早期再分極パターンを有する症例において,多く認めるとされている333).右室流出路自由壁以外にもみつかる異常電位が,VF の発生に関与しているかどうか,焼灼の必要があるかどうかについてはまだ十分に解明されていない. 付帯事項1) まずはPVC の発生率(バーデン),NSVT の有無,器 質的心疾患の有無(心エコー,心臓造影MRI)を評価する. 2) 定期的な心電図や心機能の追跡が推奨される.症状(動 悸,意識消失など)の出現や心機能低下を認めた場合は,患者との共有意思決定のうえ,カテーテルアブレーションを選択する.背景,本CQ の優先度 PVC は自覚症状をともなわないことも多く,器質的心疾患を合併しない場合(特発性PVC),予後は良好である1).一方,特発性PVC に対するカテーテルアブレーションの有効性は高く,合併症発症率も低い.なお,発生はまれながらPVC 誘発性心筋症による心機能低下や,致死性不整脈のトリガーとなる可能性が懸念され,これらについてもアブレーションの有効性が報告されている2, 3).現時点ではPVC 誘発性心筋症や致死性心室不整脈の発生を正確に予測できる方法はない.症状のない特発性PVC 患者にとって,アブレーションがメリットのある治療であるのか吟味することは重要な臨床的課題と考えられる.エビデンスの要約 PICO P:特発性PVC I:カテーテルアブレーションC:経過観察O:アウトカム益に関する重大なアウトカム:心臓突然死,LVEF 増悪,心不全増悪による入院の抑制害に関する重大なアウトカム:手技にともなう合併症(心タンポナーデ) PVC 誘発性心筋症の危険因子 PVC 発生率が高い症例(PVC バーデンが高い)ほど, PVC 誘発性心筋症となるリスクが高いことが知られている.Baman らは,特発性PVC 患者174 人において,24時間ホルター心電図でPVC バーデンが1 日総心拍数の24% 以上の場合,PVC 誘発性心筋症の発生リスクが高くなる一方で,PVC バーデンが10% 未満の場合には心機能の低下がみられなかったことを報告している4). PVC の出現率には日内・日差変動があり,Hsia らは正確なPVC バーデンの評価のためには24 ~48 時間のモニタリングでは不十分で,1 週間以上の長時間モニタリングが重要であるとしている5).今後,長時間心電図モニタリング評価による,より正確なPVC バーデンに基づいたリ 解説表17 VF に対するICD 頻回作動をともなうブルガダ症候 群に対するカテーテルアブレーションの推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル VF に対するICD 頻回作動をともない,薬物治療が無効または副作用のため使用できないブルガダ症候群の症例で,カテーテルアブレーションを考慮するIIa B 症状がなく心機能低下を認めない特発性PVCに対する治療選択は? CQ 2 症状がなく心機能低下を認めない特発性PVC患者において,まずは経過観察を行い,継続的に下記の評価を実施し,治療を検討することを推奨する. 推奨