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p.37 抽出テキスト

が検討された317).ブタ10 頭を対象に,片方の肺静脈の内側でPFA,もう片方の肺静脈の内側で高周波カテーテルアブレーションが施行され,その前後および3 ヵ月後に血管造影にて評価された.PFA では直後に肺静脈径11% の減少がみられたものの,3 ヵ月後には19% の増加がみられた.一方,高周波では直後に23% 減少し,3 ヵ月後でも7% 減少していた.同様の結果はIMPULSE/PEFCAT 試験のサブ解析から臨床的にも示されており318),PFA による肺静脈狭窄への影響はないか,あるいはきわめて低いと考えられる.

冠動脈攣縮は,PFA の周辺臓器への影響として今のところ唯一とも考えられる懸念事項である.僧帽弁狭部へのPFA 後に左回旋枝に誘発された冠攣縮(1 人)が報告され319),その後,冠攣縮への影響が包括的に検討されている320).肺静脈隔離(25 人)および後壁隔離後(5 人)には冠攣縮は確認されなかったが,三尖弁下大静脈狭部へのアブレーション(5 人)後には全例で重度の右冠動脈狭窄が誘発され,ニトログリセリン投与により平均5.5 分で回復した.その後15 人にニトログリセリンを冠注(5 人)あるいは静注(10 人)後に三尖弁下大静脈へのPFA を施行したところ,中等度1 人,軽度2 人の冠攣縮を認めたが,重度のものは誘発されなかった.冠動脈の直近でPFA を施行する場合は,冠攣縮を念頭に置く必要がある.

3.4 展望

PFA は直流通電により数秒間で心筋を傷害するため,従来の高周波やクライオエネルギーと比較すると治療時間は短く,心筋細胞を選択的に標的とする特性から周辺臓器への傷害も少ない.有効性に関しても,これまでの臨床試験からは少なくとも短期的には同等レベルとみられる.今後熱エネルギーに替わってカテーテルアブレーションの第一選択のエネルギーソースとなることが期待されるものの,エビデンスはまだ少なく,有効性・安全性をひきつづき慎重に評価する必要がある. 4 心室期外収縮(PVC)/VT カテーテ ルアブレーションの進歩

4.1 PVC/VT 患者における不整脈基質の 評価

心室不整脈を認める場合,冠動脈疾患を含む器質的心疾患の有無を評価することが重要である.2022 年のESC ガイドライン41)では,12 誘導心電図,心エコー図,CT や冠動脈造影による冠動脈評価に加え,心臓MRI で器質的心疾患の検索を行うことを推奨クラスIIa としている.瘢痕関連VT において,心臓MRI による遅延造影の部位診断はアブレーション戦略の決定にも有用である.特発性と考えられるケースにおいても,MRI による潜在性器質的心疾患の検索が同様に推奨されている.

4.2 適応とタイミング

4.2.1 器質的心疾患にともなうVT に対する カテーテルアブレーション

ICD 植込み後患者において,陳旧性心筋梗塞にともなう持続性単形性VT のカテーテルアブレーションによる再発予防を検討する,SMASH VT 321),VTACH 322),SMS 323), VANISH 324)などのRCT が行われている.特に虚血性心疾患では,アミオダロン服用中に起こるVT 再発の予防法として,カテーテルアブレーションの有効性が示されている.「不整脈非薬物治療ガイドライン(2018 年改訂版)」

5)以

降に発表されたRCT では,アブレーションをVT 再発予防の第一選択として,より早期に行う方針を支持するものが多い.

近年,三次元マッピングシステムと多極カテーテルを用いた高密度マッピングの技術の進歩と普及により,アブレーション部位の同定が容易になった.SURVIVE-VT 325)は,陳旧性心筋梗塞にともなう持続性VT の再発予防のための第一選択治療として,カテーテルアブレーションと抗不整脈薬を比較した.2 年間の追跡期間において,アブレーション群で複合エンドポイント(心血管死,適切作動,心不全による予定外入院,治療に関連する重篤な合併症の複合)の改善がみられた(アブレーション群28.2% vs. 薬物治療群46.6%,HR 0.52,95%CI 0.30 ~0.90,P=0.021).この差はおもに薬物治療群において,薬物の副作用や,抗