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p.31 抽出テキスト

表15 近年の心不全合併心房細動の治療に関するRCT(カテーテルアブレーションと薬物療法の比較)

試験名試験年(年)登録患者

数(人)年齢(歳)心房細動

の病型NYHA 心

機能分類左房径(mm) LVEF (%)観察期間

(月)一次エンドポイントの結

果(薬物治療に対して)その他の結果(薬物治療に対して)

RAFT-AF 280) 2022 411 67発作性/持続性II ~III 46 30 37全死亡/ 心不全減少, HR 0.71(P =0.066) LVEF/QOL 改善, NT-proBNP 低下AMICA 281) 2019 202 65持続性II ~III 50 26 12 LVEF 改善に有意差なし(P =0.36)洞調律維持率高く心房細動/ 心房頻拍バーデン減少, 6MWD/QOL/BNP 改善に有意差なしCABANA 277, 282) 2019 778 68発作性/持続性II ~IV - 55 49死亡/ 脳卒中/ 出血/ 心停止減少,HR 0.64 (95%CI 0.41 ~0.99)死亡率減少,QOL 改善CASTLE-AF 283) 2018 363 64発作性/持続性II ~IV 48 32 37.6全死亡/ 心不全減少, HR 0.62(P =0.007) LVEF 改善,6MWDは改善なしCAMERA- MRI

284) 2017 68 61 持続性 II ~IV 48 33 6 LVEF 改善 (P<0.0001) LVEF/ 左房容積/BNP減少,NYHA 改善, 6MWD は改善したが有意差なしAATAC 285) 2016 203 61持続性II ~III 47 30 24高い洞調律維持率(P <0.0001)入院/ 死亡軽減, LVEF/6MWD/QOL 改善CAMTAF 286) 2014 50 58持続性II ~III 51 33 6 LVEF 改善(P <0.001) LVESD 減少, VO2 max/QOL 改善, BNP 低下ARC-HF 287) 2013 52 63持続性II ~III 48 24 12 peak VO2 増加(P =0.018) BNP 低下, QOL/VO2 max/6MWD改善, LVEF 改善されるも有意差なし6MWD:6 分間歩行距離,NT-proBNP:N 末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド,BNP:脳性ナトリウム利尿ペプチド

していた290).これは心房細動由来の心筋症に対するアブレーションの治療効果を示すものである.この結果より,心房細動起因性心筋症(頻脈や不規則かつ非同期性の心筋収縮による二次性の心機能低下,もしくは不整脈治療により回復する心機能低下)が強く疑われる場合はアブレーションによって心機能障害回復が期待できるため,アブレーションが推奨される290-293).

その一方で,CASTLE-AF においてアブレーションは薬物治療に比して死亡/ 心不全を有意に減少させたが, NYHA 心機能分類III やLVEF<25% の群では薬物治療に対する有意性を示されなかった283).AMICA 281)やARC- HF 287)の結果もふまえ,低左心機能の原因や程度,また心不全の重症度によって得られる効果が異なる可能性に注意する必要がある.

心臓移植もしくは左心補助人工心臓(LVAD)を検討する末期心不全を合併した心房細動患者に対し,カテーテルアブレーション+ 薬物治療併用と薬物治療単独を比較したCASTLE-HTx の結果が2023 年8 月に発表された294).本

試験では18 ヵ月の観察期間において,アブレーション+薬物治療併用群が薬物治療単独群に比し複合一次エンドポイント(全死亡,心臓移植,LVAD 植込み)を有意に減少させた(8% vs. 30%,HR 0.24,95%CI 0.11 ~0.52,P < 0.001).その背景には,アブレーション+薬物治療併用群における心房細動バーデンの有意な減少(減少率:30.8% /年 vs. 8.3% /年),および心機能の有意な改善(LVEF 改善率:7.8% /年 vs. 1.4% /年)があった.これらより,重症末期心不全に合併した心房細動においても,状態が安定していれば薬物治療にカテーテルアブレーションを併用する意義があることが示された.しかし,本試験においてもLVEF<25% の患者ではその有効性は示せてはいない.

以上より,HFrEF に合併した心房細動におけるカテーテルアブレーションの適応は,その患者背景を十分考慮したうえで薬物治療を含め検討すべきと考えられる.

心縮能が保たれた心不全(HFpEF)を合併した心房細動