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p.8 抽出テキスト

値・予想等を理解したうえで意思決定ができるように援助する医療行為であり相互間での対話過程を指している.プライバシーと守秘義務:個人同士の関係において生じる概念であり,プライバシーは通常個人によってコントロールされる.守秘義務とは人と(医療)機関との関係において生じる概念であり,個人のプライバシーを手中にしている医療専門職などの他者が個人情報を管理する際に課される

義務を指す.未成年者,小児,新生児,胎児:原則的に,未成年者 は18 歳未満,小児は16 歳未満,新生児は生後 28 日以下,胎児は母胎内の胚を含む個体と定義する.

第1章 本ガイドラインの基本姿勢

心臓・血管疾患における遺伝学的検査の実施にあたっては,検査を受ける対象者の人権,すなわち,自己決定権および拒否権,知る権利・知らないでいる権利,差別を受けない権利等が,科学的,社会的利益よりも優先されなければならない.加えて,患者・家族にとって可能な限り利益が最大限に尊重されるべきであり,不利益あるいはリスクを最小化することが求められる.得られる遺伝情報については本人あるいは血縁者の医療のために利用されなければならず,本人およびその血縁者が遺伝的差別などの社会・経済的不利益を被ることがないよう十分な配慮がなされなければならない.

1 遺伝学的検査と 遺伝カウンセリング

遺伝学的検査とは遺伝子検査はもちろんのこと,染色体検査や遺伝生化学的検査を含める.特定の心臓血管疾患における遺伝子検査,染色体検査,遺伝生化学的検査に加えて, 確定診断のための検査,保因者検査,発症前検査,易罹患性検査,出生前検査等も対象に含める.遺伝学的検査においては,1検査結果は生涯変わらないこと(不変性),2個人の遺伝情報であると同時に血縁者もそれを共有していること(共有性),3将来の疾患発症を予測できる場合もあるが(予見性),発症時期や症状等について予測が困難あるいはできないこと,未知の遺伝子バリアントによる可能性もあること,遺伝性疾患であっても浸透率が相対的に低い場合など,変異遺伝子を有していても発症しない場合もあること(あいまい性),4患者やその家族が不

利益を被るなど社会的に不利益を生じる可能性があることなどが挙げられる.対象者あるいは代諾者より説明に基づいた同意(インフォームド・コンセント)を得るにあたっては,得られた結果が遺伝情報であるため,解析結果が対象者のみならず血縁者にも直接影響を生じる点などを含め,日常診療における一般検査と比較して特に十分な時間をかけて,かつ平易な言葉を用いて,また未成年者であれば適宜,アセントなどを活用しその対象者の理解度に準じて情報提供を行う必要がある.特に遺伝学的検査の利点・デメリット,情報の管理体制・個人情報保護,結果開示の手順,費用(保険診療か否か,保険診療でない場合,全額自費負担か,あるいは無償で病院経費・研究費などによる対応がなされるのか否かなど)説明がなされるべきである.また遺伝学的検査が実施された後の結果の開示については,専門性の高い遺伝子解析結果自体をそのまま還元しても,対象者がそれを理解することは容易でないため,解析結果について受検者の理解を促しつつ十分な説明を行うことが望ましい.受検者が希望される場合は臨床遺伝専門医,あるいは認定遺伝カウンセラーによる遺伝カウンセリングが行える体制を確保すべきであり,同意から結果説明までの体制を確保したうえで循環器診療の中で遺伝学的検査を活用されたい.