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p.57 抽出テキスト

その大半は病原性に乏しいと分類された245).デスモゾーム関連遺伝子以外では,TMEM43 のみが確実な,DES とPLN については中等度の病原性のある原因遺伝子と分類されている.

欧米ではPKP2 が主要な原因遺伝子であるが,日本人ARVC ではDSG2 変異の頻度が高い.さらにわが国ではDSG2 ミスセンス変異のhomozygous または compound heterozygous が多い246, 247).日本人ARVC 患者に同定されるDSG2 変異は,一般住民コホートでもヘテロキャリアが存在するため,secondary finding として同定された場合には,遺伝カウンセリングにおいて注意が必要である.一方,孤発例と考えられているARVC であっても,DSG2 のhomozygous またはcompound heterozygous 変異キャリアである場合も少なくない.そのため,家族歴がないARVC の場合でも遺伝学的検査は有用であり,同胞の早期診断につながることもある.TMEM43 とPLN は特定の決まった変異(p.S358L 248)とp.R14del 249))が欧米の一部の地域集団に多く同定されており,日本人で同定されることは非常に稀である.

2022 年に発表された四大陸不整脈学会合同コンセンサス250, 291)では,ACM において,遺伝学的検査は診断・予後予測・治療法決定に有用であるとされており,ACM と診断された場合の遺伝子検査,および確実な原因遺伝子(2022 年時点ではPKP2,DSP,DSG2,DSC2,JUP, TMEM43,PLN,FLNC, DES,LMNA)のスクリーニングを推奨している.わが国では2024 年2 月時点でARVCの遺伝子解析は保険償還されていないが,ARVC の診断基準にも含まれており,ARVC を疑った場合には実施することが勧められる(表25). 4 その他の心筋症

4.1 二次性心筋症

二次性心筋症は,特発性心筋症とは異なる予後を示すことがあり,その原因によっては疾患特異的な治療が利用可能なものが含まれる.そのため,正確な診断に至ることは非常に重要である251).HCM 様形態を呈する患者のうち5 ~ 10% に二次性心筋症が潜んでいると考えられており218), DCM 様の形態を呈する疾患の種類はさらに多岐にわたる.

Desmoplakin

Plakophilin Plakoglobin Desmocollin

Desmoglein Desmoplakin Plakophilin

Plakoglobin Desmocollin Desmoglein

図3 細胞間接着に寄与するデスモゾーム

表25 ARVC の遺伝学的検査に関する推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

臨床的もしくは剖検でARVC と診断された人を対象とする,ARVC の原因遺伝子として確率された遺伝子に対する遺伝学的検査を行う. I C ARVC の原因遺伝子として確立されたすベての遺伝子に対する遺伝学的検査を行う. I C遺伝カウンセラーや専門の臨床医によって3 世代にわたる家族歴の病歴聴取を行う. I C遺伝学と循環器学の専門家によって構成されたチームによって実施される遺伝学的検査の解釈を考慮する. IIa C