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師である必要はないが,当該心臓血管疾患の診療に習熟した専門医と産婦人科専門医との十分な連携が不可欠である. 6 各疾患群の妊娠前遺伝カウンセリ ングの注意点 心疾患患者の妊娠前カウンセリングの詳細は「心疾患患者の妊娠・出産の適応,管理に関するガイドライン (2018年改訂版)」75)と本ガイドラインの各論を参照されたい.ここでは,特に妊娠管理において注意を要する遺伝性循環器疾患について記述する. 6.1 先天性心疾患 先天性心疾患の多くは多因子遺伝と考えられており,メンデル遺伝様式には従わないことのほうが多い.しかし,先天性心疾患をもつ親から生まれる子どもたちは,先天性心疾患を有する頻度が高く,一般に比べて3 ~5 倍と考えられている.さらに,母親が先天性心疾患の場合は,父親が先天性心疾患である場合より2 倍以上高い.このため先天性心疾患を有する妊婦には,妊娠18 ~20 週に胎児心エコー検査によるスクリーニングを受けることが推奨される.近年,先天性心疾患の原因となる数多くの遺伝子異常が明らかになっている.遺伝子異常が判明している場合は,子どもへの再発率や可能な遺伝学的検査に関する正確な情報を提供する75). 6.2 Marfan 症候群と類縁疾患 Marfan 症候群は常染色体顕性遺伝(優性遺伝)形式をとり,子どもが罹患する確率は50% である.15 番染色体上(15q21)のフィブリリン 1 遺伝子(FBN1)が原因である. 75% は家族歴があり,25% は新生突然変異で発症する. 妊娠は本症に精通した臨床遺伝専門医や循環器専門医,認定遺伝カウンセラー,あるいはハイリスク妊娠管理に精通した産科医による適切な遺伝カウンセリングののちに考慮されるべきである.その理由は妊娠,分娩,産褥早期により急速な大動脈拡張や大動脈解離が発症することがあるからである.妊娠成立時に上行大動脈最大径が4 cm を超えている場合には,妊娠中に大動脈基部置換術を行う可能性も含め厳重な管理を要する. ACE 阻害薬やARB は流産や催奇形性の可能性があるため中止し,予めβ遮断薬に変更しておく.機械弁置換術後症例では,妊娠中の内服による胎児の催奇形性,頭蓋内 出血などのリスクがあるため,妊娠中はワルファリンを未分画ヘパリン静注または皮下注へ切り替えることが多い.詳細は6.4 静脈血栓塞栓症と遺伝性血栓性素因に記載する. Marfan 症候群類縁疾患として,Loeys–Dietz 症候群がある.トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)受容体(1型あるいは2 型)遺伝子(TGFBR1,TGFBR2)などに病的バリアントを認める.ほかの大動脈疾患に比べ,血管病変はより若年で生じ,大動脈拡張が軽度であっても解離に至る傾向が高いと指摘されているため,妊娠・出産に関しては厳重な管理を必要とする. Ehlers–Danlos 症候群(EDS)のうち血管型EDS は,III型コラーゲン遺伝子(COL3A1)の病的バリアントによる.血管型においては,動脈病変(動脈解離・瘤・破裂,頸動脈海綿静脈洞瘻),臓器破裂(腸管,子宮),気胸といった重篤な合併症を生じるため,妊娠・出産に関しては厳重な管理を必要とする. 経膣分娩に伴う広範な組織損傷を避けるため帝王切開による計画分娩が選択されることが多いが,分娩には,血管外科医と一般外科医が加わることが推奨される. 6.3 遺伝性不整脈 若年女性が比較的多い遺伝性不整脈の代表的なものに,先天性LQTS が挙げられる.遺伝子診断に基づいたリスク評価,遺伝子型別の治療方針などは各種ガイドラインを参照されたい.LQTS 患者では妊娠出産自体がきわめて危険性が高いわけではないが,特にLQT2 型では妊娠・出産後にQT 延長が増悪し,心イベントが発生することがあり91),ハイリスク患者においてはβ遮断薬など治療を継続したうえでの妊娠・出産が望ましい.またCPVT も致死性不整脈を惹起する遺伝性不整脈で,妊娠出産に伴う交感神経緊張が不整脈イベントに繋がる可能性も否定できないためLQTS と同様にβ遮断薬服薬患者では妊娠中も継続が望ましい. 一方,ARVC などの不整脈を合併することのある心筋症では,妊娠自体が母体にとってリスクになる可能性もある.遺伝性不整脈疾患においても,妊娠に伴う母体および子どもへのリスクの説明とともに,児への疾患の遺伝に関する情報を提供する. 6.4 静脈血栓塞栓症と遺伝性血栓性素因 妊娠と関連して発症した静脈血栓塞栓症 (venous thrombo-