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p.25 抽出テキスト

的に義務づけられている.

1.2 適応の決定

疾患ごとの遺伝学的検査の適応決定については,各診療ガイドラインに従う.循環器疾患にて保険診療となっている疾患名は,第4 章の表9 を参照されたい.

1.3 インフォームド・コンセント

文書によるインフォームド・コンセントが必須である.遺伝情報の特性を十分に理解し,遺伝学的検査・診断を実施し,診療記録として共有する(2022 年日本医学会ガイドライン1)から「結果」をカルテに明記することが義務づけられた).

検査の実施にあたっては,患者または家族に遺伝学的検査の利点と注意点について説明と同意が必要である.特に家族性を疑う場合には,得られた結果によっては家族への影響も考える必要があることを説明し理解を得る.また未成年者に対する保因者診断や,成年期以降に発症する疾患の発症前診断については,原則として本人が成人し自立的に判断できる年齢になってから行うべきで,早期の検査を必要とする医学的な理由がない限り,両親などの代諾で安易に実施すべきではない1).

遺伝性不整脈などでは初発が致死性である場合もあり,先天性LQTS のようにactionable な(予防法や治療法がある)遺伝性疾患に対しては,未発症であっても小児期からの早期診断および介入の有用性が国際的にも認識されている.未成年を含む未発症者の血縁者の診断(cascade screening)としての遺伝学的検査は,遺伝性循環器疾患の経験豊富な医師と遺伝子医療部門との協働により遺伝カウンセリングを経て進めていくことが重要である(第3 章3.循環器診療部門と遺伝子医療部門の協働による遺伝学的検査の実施を参照).

NGS を用いた網羅的遺伝学的検査を診療に応用する場合には,二次的所見(遺伝性不整脈の原因検索の中で,遺伝性腫瘍症候群の病的バリアントが発見される場合など)の取り扱いや検査結果を開示する際の説明手順などを定めておくこと.

1.4 結果の開示・説明

まず遺伝学的検査について文書を用いてインフォームド・コンセントが得られていることが前提となる.さらに検査から同定されたバリアントが病的か否か,疾患との関係,家系内での整合性など結果の解釈について説明可能な医師

が結果の説明を行うべきである.臨床遺伝学に関する十分な知識を有する医師が,「保険収載されている」遺伝学的検査を実施し,その結果について患者またはその家族などに対し遺伝カウンセリング(後述)を行った場合には,遺伝カウンセリング加算として患者1 人につき月1 回に限り1,000 点(令和5 年)が加算される.なお,遺伝学的検査の保険点数および遺伝カウンセリング加算は,厚生労働大臣が定める施設基準(遺伝カウンセリングを要する治療に係る十分な経験を有する常勤医師がいること)に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において所定の条件を満たした場合でのみ算定することができる.

1.5 研究として行われた 遺伝子解析結果の扱い

研究として行っている遺伝子解析は,本ガイドラインの対象にはならない.診療目的ではなく「研究」として実施する場合は倫理委員会の承認を得ておくことが必要である1). (第1 章2.本ガイドラインの適用範囲を参照).ただし,研究として行った場合であっても,その解析結果を分析的妥当性,臨床的妥当性ならびに臨床的有用性があるものとして受検者に開示する場合(診療の用に供する場合)には,医療としての遺伝学的検査の結果得られる情報と同等であることから,本ガイドラインに従うことが望まれる.なお受検者には,検査実施前に研究と診療の違いを説明し,結果の開示において,「研究として実施された結果であること」を説明し理解を求める.また医療として行われる遺伝学的検査であっても,研究的側面がある場合は,研究の指針(「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」2)など)にも則って行う必要がある.

2 遺伝カウンセリング

2.1 遺伝カウンセリングの目的

すべての疾患の発症には遺伝要因と環境要因の双方が関連している.疾患の遺伝要因には,人体を構成するタンパクをコードする遺伝子のバリアント,染色体の数的異常や構造異常が代表的である.これらが要因であることによって生じる遺伝性疾患の特徴は,患者にさまざまな医学的影