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第5章 遺伝学的検査を用いた診療・遺伝 カウンセリング 1 循環器専門医による 遺伝学的検査の提出 1.1 施設基準 1.1.1 検査を実施する施設 診療用に供する検体検査は,平成30 年度改正医療法等に従い,保険診療での検査として行う場合(D006-4 遺伝学的検査)は医療機関の検査部門,ブランチラボや衛生検査所で実施することとなった.研究所・大学研究室などでのゲノム・遺伝子解析研究とは明確に区別する. 1.1.2 検査を実施する主体 遺伝学的検査の実施に際しては,「医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドライン」1)を遵守し,「遺伝カ ウンセリング」を含めた総合的な臨床遺伝医療が行える環境において(詳細は第3 章3.循環器診療部門と遺伝子医療部門の協働による遺伝学的検査の実施に記載),循環器専門医と遺伝子医療部門(臨床遺伝専門医または認定遺伝カウンセラー)と協働して実施することが望ましい. 1.1.3 個人情報の保護についての基準 遺伝情報にアクセスする医療関係者は,遺伝情報の特性を十分理解し,個人の遺伝情報を適切に扱うことが求められる.すでに発症している患者の診断を目的として行われた遺伝学的検査の結果は,原則として,他の臨床検査の結果と同様に,患者の診療に関係する医療者が共有する情報として診療録に記載する必要がある. 本ガイドラインでは,主に診療目的として実施される遺伝学的検査を対象とし,最終的に検査結果を診療録に記載するため患者情報の匿名化は必須ではない.検査会社あるいは病院の検査部には個人情報をしっかりと守ることが法 表11 バリアント表記例(MYBPC3 を例に) バリアントの種類Coding DNA 表記(NM_000256.3)アミノ酸表記(NP_000247.2) ミスセンスバリアントc.772G>A p.(Glu258Lys) coding DNA の塩基772 番目のG がA に置換,アミノ酸258 番目のグルタミン酸がリジンに置換することが予想される. ナンセンスバリアントc.2526C>G p.(Tyr842*) あるいはp.(Tyr842Ter) coding DNA の塩基2526 番目のC がG に置換,アミノ酸842 番目のチロシンが終止コドン( *あるいはTermination: Ter)に置換することが予想される. 同義置換c.2274C>T p.(Gly758=) coding DNA の塩基2274 番目のC がT に置換,アミノ酸は変化しない(=)ことが予想される.スプライスバリアントc.927-2A>G coding DNA の塩基927 番目で始まるエキソンから5’ 側に2 塩基離れたイントロン内のA がG に置換する. 欠失c.1800del p.(Lys600fs) あるいはp.(Lys600Asnfs*2) あるいはp.(Lys600AsnfsTer2) coding DNA の1800 番目の塩基が欠失,アミノ酸600 番目のリジン以降に変化が起きるフレームシフトバリアント(frameshift: fs)で,アスパラギンで始まる新たな読み枠 は2 アミノ酸目に終止コドンを生じると予想される.