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p.14 抽出テキスト

おいて臨床遺伝学的専門性に基づいて慎重な判断を要する内容も多く含まれる.検査実施前の説明において,有用性を真摯に説明するとともに,前述の留意点に関しても責任を持って対応することを含め,丁寧に言及することが求められる(第5 章1. 循環器専門医による遺伝学的検査の提出を参照).遺伝医療専門家(臨床遺伝専門医,認定遺伝カウンセラー)は,必要に応じて検査前の遺伝カウンセリングを担当したり,結果解釈の支援を含めた検査後の遺伝カウンセリングに関与することが望まれる.

さらに,遺伝性循環器疾患には,遺伝学的検査の有用性が留意点を上回る,いわゆるactionable な(予防法や治療法がある)常染色体顕性遺伝(優性遺伝)疾患が多い.症状が顕在化する前の早期診断および介入の有用性が国際的にも認識されている.未成年を含む未発症者の診断(cascade screening)としての遺伝学的検査は,遺伝性循環器疾患の経験豊富な遺伝子医療部門との協働により遺伝カウンセリングを経て進めていくことが重要である(第5 章2.遺伝カウンセリングを参照).

なお,自施設内に遺伝子医療部門が整備されていない場合は,全国遺伝子医療部門連絡会議のホームページ12)内の遺伝子医療実施施設検索システムや,難病情報センター13)の難病の医療提供体制の一覧から,各地域の遺伝子医療部門を検索し,適切な医療機関と連携することができる.

4 遺伝学的検査の実施状況に応じた 区分

遺伝学的検査には,患者の診断,血縁者の診断,重篤な疾患における出生前診断,薬剤に対する効果・想定される副作用の発現を推定する薬理遺伝学検査,特定の多因子遺伝性疾患としての心臓血管疾患について遺伝的素因が存在するかを調べる易罹患性検査などが含まれる.

4.1 患者の診断:patient analysis

患者の診断は上述した通り,検査の目的,有用性,留意点を理解のうえ,循環器診療部門と遺伝子医療部門との協働で行われる.

4.2 血縁者の診断:cascade screening

遺伝性循環器疾患を有する患者に対して遺伝学的検査が行われ,原因遺伝子に病的バリアントが検出された場合,血縁者に対する遺伝学的検査がその健康管理に有益であ

表6 ACMG v3.2 二次的所見として掲載されている遺伝子(遺伝性循環器疾患を提示)

疾患遺伝子

拡張型心筋症MYH7,TNNT2,LMNA,FLNC,TTN

*,BAG3,DES,DSP, RBM20,TNNC1,SCN5A

肥大型心筋症MYH7,MYBPC3,TNNI3,TNNT2,TPM1,MYL3,ACTC1, PRKAG2,MYL2,FLNC不整脈原性右室心筋症PKP2,DSP,DSC2,TMEM43,DSG2先天性QT 延長症候群KCNQ1,KCNH2,SCN5A,CALM1,CALM2,CALM3,TRDN Brugada 症候群SCN5Aカテコラミン誘発多形性心室頻拍RYR2,CASQ2,TRDN,CALM1,CALM2,CALM3遺伝性トランスサイレチンアミロイドーシスTTR Fabry 病GLA Pompe 病GAA大動脈疾患(家族性大動脈瘤・解離,Marfan 症候群,Loeys-Dietz症候群を含む) FBN1,TGFBR1,TGFBR2,SMAD3,ACTA2,MYH11血管型Ehlers-Danlos 症候群COL3A1家族性高コレステロール血症LDLR,APOB,PCSK9遺伝性出血性毛細血管拡張症(Osler-Weber-Rendu 症候群) ENG,ACVRL1 * truncating variants などに限定(Miller DT, et al. 2023

9)を参考に作表)