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p.8 抽出テキスト

AHI)との関連に焦点が当てられている場合が多く,とくに循環器領域では,それらの結果に基づいて自覚症状の有無にかかわらず本症に対する治療介入が推奨されうる.したがって,本ガイドラインでは引き続き自覚症状の存在を前提とした,睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome: SAS)という用語の使用は避け,2010 年のガイドラインと同様にとくに断りのない限り,自覚症状の有無を問わずAHI ≧5 のものをSDB と定義する.同様に,閉塞タイプ呼吸イベントが優位のものを「閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea: OSA)」,中枢タイプ呼吸イベントが優位のものを「中枢性睡眠時無呼吸(central sleep apnea: CSA)」とし,後者でチェーン・ストークス呼吸パ

ターンを伴うものを「Cheyne-Stokes 呼吸を伴う中枢性睡眠時無呼吸(central sleep apnea with Cheyne-Stokes respiration: CSA-CSR)」と表記することとした.また,「閉塞性」「中枢性」のように“ 性” をつけてよぶか,「閉塞型」「中枢型」のように“ 型” をつけて呼ぶかに関しても,2010年のガイドラインに倣い,個々の無呼吸イベントについては「閉塞タイプ」「中枢タイプ」「混合タイプ」のように“ タイプ” をつけ,それぞれの病態名としては「閉塞性」「中枢性」のように“ 性” をつけることとした.さらに,最近の医学的根拠に基づいた診療指針と現行の保険診療との基準がかならずしも一致していない場合もあるため(たとえば持続気道陽圧療法[CPAP]の導入基準など),これらに関しては注釈をつけた.

最後に今回のガイドラインの改訂に関する主要なポイントを以下にまとめる. 1 “ 正常睡眠と睡眠障害” をより循環器領域の内容に特化

する形へ変更した. 2 “ 診断” に関してより最近の定義・スコアリングルール

に関する内容にUpdate した. 3 “ 疫学” における有病率などをより近年のデータに

Update した. 4 “ 病態” に関して近年提唱された新たな病因・病態生理

について言及した. 5 “ 治療” に関して全体をUpdate するとともに,わが国

でも保険収載された舌下神経電気刺激療法についてと,保険未収載ながら中枢性睡眠時無呼吸に対してエビデンスが出ているいくつかの治療の可能性に関して言及した. 6 “ 各論” の項目を拡充し,高血圧以外の循環器疾患リス

ク因子も言及し,多数のエビデンスが報告された不整脈(とくに心房細動)や心不全に関しては細分化し項目を分けて言及した.

表1 推奨クラス分類

クラス I手技・治療が有効,有用であるというエビデンスがある,あるいは見解が広く一致しているクラス IIaエビデンス・見解から,有効・有用である可能性が高い.クラス IIbエビデンス・見解から,有効性・有用性がそれほど確立されていない.クラス III No benefit手技・治療が有効・有用でないとのエビデンスがある.あるいは見解が広く一致している.クラス III

Harm手技・治療が,有害であるとのエビデンスがある.あるいは見解が広く一致している.

表2 エビデンスレベル

レベル A複数のランダム化比較試験またはメタ解析で実証されたもの.レベル B単一のランダム化比較試験またはランダムではない大規模な臨床試験で実証されたもの.

レベル Cランダム化介入でない小規模な臨床試験,後ろ向き研究,登録研究などの結果,または専門家の間での合意に基づくもの.