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るものの,発症後2 ヵ月では,平均AHI は22.0 から18.5へと改善する傾向を認めていたとしている.この改善はCSA が有意に改善し,OSA は遷延する傾向によるものであり811),CSA はACS 発症の結果として出現し,経時的に改善していく可能性を示唆している. 10.2 SDB と冠動脈硬化の進展 近年,冠動脈CT 検査や血管内超音波などを用いて, OSA と冠動脈硬化の関係性を証明する報告が多く認められている.OSA が重症なほど冠動脈硬化の程度は強く,メタ解析では,OSA の重症度は冠動脈石灰化の程度とのあいだに有意な関連があった812).血管内超音波検査による検討では,AHI ≧15 のOSA 患者で責任血管のatheroma volume が多く,このようなOSA はatheroma volume の独立規定因子だと報告している813).また非石灰化病変や冠動脈プラークなども重症OSA 患者では多い814-816).OSAの程度と冠動脈の石灰化が関連している,OSA の重症度と冠動脈石灰化には相関があるなどの報告も多数存在する817-819).OSA が冠動脈の石灰化病変に関与しているのか,非石灰化病変に関与しているのか,または両者に関与しているのかは,一貫しておらず,今後さらなる研究結果が待たれるところである. 10.3 SDB がACS に与える影響 SDB では動脈硬化が進行しやすい49).SDB によって生じる低酸素が虚血を惹起するだけでなく,プラークの不安定化,凝固異常などが加わることによりACS へ進展すると考えられている820-826).また,SDB は多血症を合併しやすいことも,ACS 発症の要因になっている可能性がある.多血症の発生要因として,1 つは無呼吸に伴い胸腔内圧が著しく低下し,右房および右室の容量負荷が増強し,心房性BNP 分泌が亢進することによる循環血液量の低下がある.もう1 つは,夜間低酸素血症に伴うエリスロポエチン産生亢進が挙げられている820, 821).多血症は血栓形成を起こしやすく,ACS に認められる血栓形成の一因を担っている可能性がある.その他,夜間の血小板凝集能亢進や凝固系亢進なども血栓の形成の一翼を担っていると考えられる822).また,高血圧,脂質異常症,肥満などは動脈硬化や血管内皮障害の原因であり,さらに夜間の無呼吸に伴う低酸素血症や交感神経活性亢進が,冠動脈の動脈硬化プラークの不安定性を引き起こした可能性がある823, 824). 急性心筋梗塞後の心機能改善が,SDB を有する群ではより障害され,発症後の心機能低下につながると報告されている.Nakashima らは退院前とPCI 直後のLVEF の変 化は,OSA の重症度と関連し,AHI が上がるにつれLVEF の改善が乏しいと報告している827).また,Buchnerらは心臓MRI 検査を用いて,SDB を有している症例は有していない症例に比して心筋サルベージ指数が低下することを報告している828).一方でOSA 患者は非OSA 患者に比して間欠的低酸素による心筋プレコンディショニングが生じ,貫壁性心筋梗塞の頻度が少なくなるとの報告もある829).ST 上昇型急性心筋梗塞でのドプラガイドワイヤーを使用して組織灌流を評価したところ,AHI ≧15 の群ではコントロール群に比して組織灌流不良群が多い830). OSA は気絶心筋の範囲の拡大を起こし,心筋梗塞発症後の心筋収縮能の回復を妨げている可能性が考えられる. 10.4 ACS 発症時間とSDB OSAを有する急性心筋梗塞はOSAのない症例に比して,発症時間が午前0 時~6 時の時間帯に有意に多く,この時間帯に発症する急性心筋梗塞の91% がOSA を有していると報告している831).これはSDB に伴う夜間の交感神経活性亢進,血小板凝集能亢進,凝固能亢進などが関与して発症すると考えられている.しかし,午前中に発症ピークがあるとの報告もあり一定していない831).Nakashima らは軽症OSA には一定の傾向は認めなかったが,中等症から重症のOSA を有する急性心筋梗塞では午前中の発生頻度が増加し,多変量解析でも中等症以上のOSA は午前中発症の独立した因子であると報告している832).ACS 発症時間はOSA を有していると午前中に多くなるとの報告が多いが833),午前中のどの時間帯に多くなるのかはさらなる検討が必要である.心筋梗塞を含む夜間の突然死とOSA との関連性も示唆されており,その機序としてはAHI よりもSpO2 の低下の程度との関連性が報告されている801). 10.5 慢性冠疾患,冠攣縮性狭心症とSDB OSA を有する虚血性心疾患患者は夜間睡眠中にST 低下を認め,CPAP 治療により改善することが報告されている389, 834).OSA によって生じる低酸素血症以外にもいくつかの心筋虚血を助長する因子があると報告されている. OSA では胸腔内圧の陰圧化により,transmural pressureが上昇する152).このことは一回拍出量低下や心筋と冠動脈の酸素供給の不釣り合いを起こし,心筋虚血を増悪させる.Hamilton らは冠動脈疾患を有する患者のカテーテル検査中に出現したOSA と冠動脈血流量,心筋仕事量との関係を報告している.OSA の気道が解放されるときには心