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を行うことにより,陽圧治療を行うべきCSA-CSR とすべきでないCSA-CSR が存在する可能性が示唆される.さらに,SERVE-HF 試験では,HFpEF 患者やOSA 優位のSDB 患者,急性および亜急性心不全患者は含まれておらず,この結果をすべての心不全患者に一般化すべきではないと考察される682).HFrEF のSDB に対してASV を用いて治療し,心血管イベントへの効果を検証したRCT であるADVENT-HF 試験699)では,CSA が優位なサブグループにおいてASV が予後悪化に関与するという結果は得られておらず,有意ではないもののASV 介入群で死亡が少ない傾向があったと報告されており(学会発表のみで論文は未発表),サブグループ解析であり有意ではない結果ではあったが,SERVE-HF 試験とは異なる傾向がみられたことは注目に値する.さらにADVENT-HF 試験では, CSA サブグループにおいてもミネソタ心不全QOL 質問票スコアはASV 群で有意な改善を示していた.死亡リスクの増加がないことと,QOL 指標の改善が得られていることなど,SERVE-HF 試験と異なる傾向がみられた理由に関して,現時点では組み入れされた患者の違い(組み入れ・除外基準は類似しているがSERVE-HF 試験ではより重症のHFrEF が多いなど),ASV の機種や設定などの条件の違い(SERVE-HF 試験では付加された圧が軒並み高めであるなど)が影響した可能性が考えられている. c.わが国におけるHFrEF 患者に対するASV わが国では,SDB 合併の有無を問わずにHFrEF 患者を対象に実施された多施設共同RCT であるSAVIOR-C 試験が行われた.その結果,副次評価項目ではあるが,6 ヵ月後の症状と心不全の増悪を複合した臨床複合反応がASV 群で有意に改善した725).これを踏まえて,SERVE- HF 試験の後も,日本循環器学会および日本心不全学会によるステートメント(第2 報)(付表1)や,急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017 年改訂版)における記述に基づいて,わが国ではCSA 優位なHFrEF に対してもASVの導入および継続は禁忌ではなく可能である一方で, SERVE-HF 試験の結果を踏まえて慎重を期すべきとされている473, 726,).とくにSAVIOR-C 試験での臨床複合反応に関しては6 ヵ月での評価であり,それより長期間でのASV 治療の影響が不明である.そのため,6 ヵ月を超えて中央値31 ヵ月とより長期フォローしているSERVE-HF 試験での心血管死亡増加の可能性を考慮し,漫然と長期間使用することを避け,ASV 導入後も可能な場合に関してはCPAP への切り替えを検討する473).わが国の実臨床では,これらに留意しつつASV を長期使用している患者も多く存在しており,平均で約3.5 年とSERVE-HF 試験と同様に長期フォローしているADVENT-HF 試験で異なる傾向がみられたことを考慮すると,現時点ではSERVE-HF 試 験に組み入れられた症例と同様の背景を有するHFrEF 症例に対し,SERVE-HF 試験と同じ条件(ASV 機種や圧設定など)にて継続使用する場合にとくに注意が必要である. SAVIOR-C 試験の副次評価項目である臨床複合反応の改善については,実臨床で標準的治療を行ってもうっ血に基づく症状が改善しない重症心不全患者に対して,SDB合併の有無を問わずASV を行うことによって,症状のみならず心機能が安定する症例が経験されること,また重症心不全患者に対してうっ血に基づく症状の改善などを目的として使用されリアルワールドで一定の効果を得てきたという経緯もあり473),わが国では保険診療下で,うっ血解除の目的でASV を使用し退院後もそれを継続することが可能となっている.ただし,SERVE-HF 試験の結果を考慮して臨床的に心不全が安定化していると判断された時点で,またはASV 導入後6 ヵ月が経過した時点で,かならずASV からの離脱やASV 以外の治療へ変更可能かを再検討する必要があるとされている.こちらもSERVE-HF 試験に組み入れられた患者と同様の背景を有するHFrEF 症例に対し,SERVE-HF 試験と同じ条件(ASV 機種や圧設定など)にて継続使用している場合において,とくに再検討することが求められる. 5.5.4 CSA-CSR への酸素療法(表38) 夜間酸素療法の短期間の検討では,慢性心不全患者のCSA-CSR の消失,交感神経活性の抑制,運動耐容能の改善,血漿BNP 濃度の低下が報告されている495, 706, 727).わが国において慢性心不全患者に対する夜間酸素療法(3 L/ min)の効果を検証した多施設共同研究(CHF-HOT 試験)では,CSA-CSR を有するLVEF ≦45% の慢性心不全患者(NYHA 心機能分類II ~III 度)を酸素投与群と従来の薬物治療群に無作為に割付けし,3 ヵ月間追跡した結果,酸素投与群でAHI が低下し,身体活動指数で評価した自覚症状は有意に改善した.このことは1 年間のRCT においても確認された492, 493).ただし,酸素投与群において心 表38 SDB 合併心不全に対するHOT の推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 中等症 *以上のCSA-CSR を伴うNYHA心機能分類III 度以上のHFrEF 患者(LVEF ≦45%)に対する心機能および自覚症状の改善を目的としたHOT を考慮するIIa B * 中等症はAHI ≧15 と定義されることが一般的であるが,わが国 の保険適用レベルはAHI ≧20 である