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難しいとの報告もあり610),β遮断薬のOSA に対する特異的な有効性には一定の見解は得られていない.OSA の治療抵抗性高血圧では血中アルドステロンレベルが増加している580).OSA 患者203 人において原発性アルドステロン症をスクリーニングした研究では,原発性アルドステロン症が検出されたのは,白人の11.8%,中国人の5.9% と多くはなかったが,血中アルドステロンレベルとAHI とのあいだには,白人において相関がみられた611).アルドステロン拮抗薬であるスピロノラクトンは,OSA の重症度と血圧を有意に低下させた612).臓器障害の抑制の観点からは, OSA 患者,とくに肥満の合併例では,レニン・アンジオテンシンン・アルドステロン(RAA)系が亢進し,左室肥大の合併が多いことから,RAA 系抑制薬が有用であると考えられる.心不全を合併するOSA 高血圧患者では,利尿薬投与により,咽頭周囲粘膜における体液貯留が改善し, OSA の改善が期待できる613).一方,ACE 阻害薬で空咳が生じるOSA 患者では,咳により上気道に炎症が生じてOSA 自体を悪化させる可能性も指摘されている614). 新規の心不全治療薬であるナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害薬615-617)やアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI) 618-620)は,夜間高血圧患者の24 時間血圧を低下させるが,OSA 患者の降圧にも有効である可能性がある557, 568, 621).SGLT2 阻害薬はOSA 患者の心血管イベントも低下させる622).また,心不全を合併した睡眠時無呼吸患者の前向きコホート研究で,ARNI はAHIを低下させた443). 1.6.4 その他の治療 平均AHI が25.6 のOSA 患者に対するCPAP と口腔内装置(OA)のRCT では,CPAP はAHI 低下効果に優れるものの,アドヒアランスはOA のほうが優れており,24 時間平均血圧の低下度は2 群で差がなかった.RCT のメタ解析では,OA で収縮期・拡張期血圧ともに2.7 mmHg低下している623).口蓋垂軟口蓋咽頭形成術のRCT では収縮期血圧は9.4 mmHg,拡張期血圧は6.4 mmHg 低下した624).治療抵抗性高血圧を合併した中等症・重症OSA患者を対象としたRCT では,腎交感神経デナベーションはAHI と診察室・24 時間血圧を低下し,心エコーのglobal longitudinal strain も有意に改善している625).舌下神経刺激はAHI やOSA 重症度は改善するが435),24 時間降圧効果に関する十分なエビデンスはない. 2 糖尿病(表34) OSA と2 型糖尿病は,肥満をはじめとする共通のリスク因子を有するため,相互の合併に関する疫学研究が多数報告されている. OSA が2 型糖尿病を発症させる機序としては,夜間の間欠的低酸素血症や睡眠分断化による交感神経活動亢進が,視床下部- 下垂体- 副腎系(hypothalamic-pituitaryadrenal: HPA axis)機能を亢進させ,糖代謝異常やインスリン抵抗性を惹起すると考えられている(図23) 57). 2 型糖尿病患者におけるOSA の合併が心血管イベント予後に与える影響に関しては,これまで小規模の研究で報告されているのみであった.運動負荷心エコー検査を施行した2 型糖尿病患者を対象とした研究では,OSA は冠動脈疾患(調整ハザード比: 1.9),心房細動(2.9)や心不全(3.5)の新規発症と有意に関連していた626).また,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行後の患者を対象とした研究では,2 型糖尿病患者におけるOSA の合併は,主要脳心血管イベントを約2 倍に増加させた627).しかし,これらの研究は,いずれも小規模でかつ限定された集団を対象とした検討であった.その後,3,667 人を対象とした14年間の英国からの大規模な後ろ向きコホート研究628)では, 2 型糖尿病患者におけるOSA の合併は,心血管イベント発症と有意に関連していた.(複合心血管疾患: 調整ハザード比1.54,虚血性心疾患: 1.55,心不全: 1.67,脳卒中/ 一過性脳虚血: 1.57,心房細動: 1.53,全死亡: 1.24).これにより,OSA を合併した2 型糖尿病患者は,心血管イベントの高リスク集団であり,2 型糖尿病患者の管理におけるOSA 合併の有無を評価することの重要性が示されたことになる. 多くの横断的研究により,OSA と糖尿病性微小血管合併症との関連性が検討されている.OSA と2 型糖尿病が共通して酸化ストレスに対する感受性を高めることにより629, 630),網膜内皮細胞,腎糸球体のメサンギウム細胞,末梢神経の神経細胞やシュワン細胞に影響を及ぼす可能性 表34 糖尿病におけるSDB の評価の推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル SDB の臨床症状の聞きとりとスクリーニング検査を行うI B