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p.47 抽出テキスト

左右どちらかの前胸部上部の皮下にポケットを作成し,パルスジェネレーターを植込み,このジェネレーター内に存在するセンサーで患者の体位・動きを検知する.刺激リードは腋窩静脈もしくは鎖骨下静脈からアクセスし,経静脈的に左心膜横隔膜静脈もしくは右腕頭静脈に留置し,(感知リードは必要に応じて奇静脈に留置)隣接する横隔神経に神経刺激を与えることで結果として横隔膜を収縮させ,胸腔内圧の陰圧化を引き起こし通常の呼吸パターン(自然呼吸と同様)を回復させる504, 506).

PNS によりAHI,CSA の重症度,覚醒反応指数の減少,低酸素血症の改善,またESS,全般的なQOL(QOL- GPA),ミネソタ心不全QOL 質問票スコアの改善が認められることが報告されている504-509).心不全患者を対象とした前向き多施設非ランダム化試験では,治療群はAHI が48%,CAI は90% 減少し,その他覚醒反応指数の減少,低酸素血症の改善も認めた509).前向き多施設RCT であるThe Remedē System Pivotal Trial では,PSG を施行し, AHI >20 である対象患者にデバイスの植込みを行い,治療群と対照群に無作為に割付され比較した.その結果, 6 ヵ月後のAHI が50% 以上低下した割合は,治療群(51%, 68 人 中35 人)において対照群(11%,73 人中8 人)より有意に高く(群間差41%) 505),12 ヵ月後もその効果が維持された504).副次評価項目については,治療群は対照群に比して4%ODI が有意に減少し(P <0.0001),QOL- PGA,ESS も有意に改善した505).また,観察研究506, 510-512),RCT 505)を含むメタ解析513)では,204 人の患者において治療群は対照群に比してAHI は26.7 減少した.同様にCSA も治療群では対照群に比して22.5 回/ 時低下した. The Remedē System Pivotal Trial 505)の心不全患者と非心不全患者の探索的事後比較で,対照群の心不全患者は45

人中2 人(4%)に対し治療群の心不全患者は35 人中22人(63%)が6 ヵ月でAHI が50% 以上減少した.非心不全患者においても,AHI が50% 以上低下した割合は,治療群(23 人中13 人,57%)で対照群(28 人中6 人,21%)より有意に高かった.このように心不全患者だけでなく非心不全患者においてもAHI が低下することが示されている505).デバイスの植込みに関連する死亡例はなく,リード変位,創部感染,血腫等の合併症はほかの経静脈的植込みデバイスと同様であることが報告されており,安全に施行できる治療法といえる505, 506, 514).デバイスのバッテリーの平均寿命は4 年程度512)である.

5.3.6 薬物治療(表28)

慢性心不全に合併するCSA-CSR そのものに対して,いくつかの薬物治療の有効性が検討されてきた.

図19 閉鎖性・中枢性無呼吸に対するASV の動作(義久精臣ほか.2017 503)より)

閉塞性無呼吸と判断

呼吸

デバイス圧呼吸

デバイス圧

呼吸

デバイス圧呼吸

デバイス圧

PEEP を上昇

CSA,CSA-CSR と判断Pressure support や呼吸回数を調節する

陽圧管理肺うっ血や心拍出量を改善する

肺胞

間質

肺毛細血管

図20 陽圧換気療法による肺うっ血の改善(義久精臣ほか.2019 497)より)