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CSA を改善するだけでなく,これらの患者の睡眠の質と症候性うつ病も改善すると報告した.Oldenburg らの5.3 ± 3 ヵ月間の観察では,OSA が主体の群ではAHI は変化しないが,CSA が主体の群では有意に低下すること,CRTへの反応が良好な患者においてのみAHI が低下することが示されている460).CSA を合併する心不全患者にCRTを導入した後のCSA の改善度は,CRT の治療効果の判定に有用である可能性がある461).しかし,CRT の導入によるAHI の減少が,心不全患者に対するCRT の有効性にどの程度寄与しているかは不明であり,今後の検討が必要である.現状ではCSA の改善のみを目的としたCRT の導入は容認できない. CRT 以外の非薬物治療によるCSA の変化を観察した報告も散見される.虚血性心筋症患者へのカテーテル治療後462)やバイパス術後463, 464),僧帽弁閉鎖不全症患者への僧帽弁形成術後465-467)にCSA が改善することが報告されている.近年,大動脈弁狭窄症に対して経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)が施行されるようになったが,TAVI前後における重症大動脈狭窄とSDB,CSA との関係を評価した報告がある468).重症大動脈狭窄患者29 人を対象に,TAVI 施行前と施行3 ヵ月後に簡易モニターで評価した結果,TAVI 施行前,41% がCSA,31% がOSA で, CSA とTAVI 施行前の左室拡張末期圧とのあいだに強い相関が認められたが,LVEF,収縮期肺動脈圧,NT-pro BNP とのあいだに相関はみられなかった.TAVI 施行後,とくにCSA 群においてAHI が有意に改善(43.5 から19.4),SDB の有病率は72% から59% に減少し,重症度も減少した. 重症心不全患者に対してLVAD の植込み術を行い,前後でCSA の変化を観察した報告では,LVAD の植込み術後に血行動態や主要臓器の機能が改善したにもかかわらず,植込み前に認めたCSA は残存していたという469).近年,LVAD 術後の患者群にポンプの回転数を変化させることによる短期的な影響を検討した論文が報告され, LVAD のポンプ回転数をあげることにより心拍出量依存性にCSA は減少するが,肺胞- 毛細血管間のガス拡散を悪化させるため,少ない値ではあるがOSA を増加させるも,総合的にAHI は著明に改善したと報告している470).心臓移植によるCSA への影響をみた報告では,心機能が正常に復すとCSA は消失する例は多いが,なお持続してみられる場合がある471).心臓移植前にCSA を認め,移植6 ヵ月以降も正常な心機能を維持し,交感神経活動の亢進が正常化した13 人の患者のうち,移植後に7 人はCSA が消失したが,3 人は残存し,4 人はOSA に移行している290).重症心不全患者では非薬物治療によって心機能が正常化しても,呼吸中枢が不可逆的に障害されている可能性があり, CSA が残存する例が存在すると考えられる.ステロイドホルモンの使用に伴い心臓移植後に体重増加し,OSA の増悪をきたす可能性があるため,注意深く観察する必要性も指摘されている472). c.その他の治療(運動療法など) デバイスや外科治療以外の心不全非薬物治療として重要なものに,運動療法がある473, 474).運動療法による運動耐容能改善効果の多くは,骨格筋や呼吸筋機能の改善や血管内皮機能改善効果475, 476)などの末梢機序を介するものであると考えられている.また,神経体液性因子や,炎症マーカー(CRP,TNF-α,IL-6 など)の低下,自律神経機能異常の改善が報告されている473, 474).CSA の病態は労作時過剰換気と関連し253, 477),運動療法は労作時過剰換気やCO2 化学受容体の亢進を改善させることも報告されている478, 479).運動時周期性呼吸変動(EOV)とCSA は発生機序が類似しており480-482),運動療法によりEOV の改善が認められることから483),同様にCSA の改善も期待できる.しかしながら,CSA とEOV の有無で4 群に分けて予後を検討した研究において,EOV のみ,CSA のみ,CSA とEOV の合併の順に予後不良となり,組み合わせで予後に差を認めることから,CSA とEOV がそれぞれ独立した意義があると考えられる256).また,運動療法は,骨格筋内の過剰なエルゴ受容体反射を改善し,運動時の過剰な換気を調整することから484),CSA の改善にもつながると考えられる.このように,運動療法によって心不全患者のCSAが改善する可能性があるものの,CSA に対して,運動療法のみによる介入効果をみた研究は乏しく485, 486, 487),今後の大規模な検証が期待される.心不全の運動療法は,基本的に運動処方にしたがって行われるべきであり,とくに高齢者や左室機能の著明低下例,危険な不整脈や虚血出現の可能性がある例などでは監視下で行われるのが望ましい.CSA を有する患者における,疾患特異的な運動処方のエビデンスは現時点では確立していない. 心不全の増悪の予防には包括的な疾病管理が重要である.生活習慣是正,栄養指導,服薬アドヒアランスや合併症の評価と管理,心理的カウンセリングなどを運動療法と並行して実施する.とくに心不全増悪因子の検討とそれに関する患者教育について,心臓リハビリテーションチームが中心となって多職種で実施する.CSA の治療という観点でもこれらについては行われるべきであると考えられる. 5.3.2 在宅酸素療法(HOT) a.適応と機序 夜間HOT は2004 年よりCSA に対する治療としてわが