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減少,使用時間が3.0 時間から5.5 時間に増加と報告) 420).一方,鼻手術はAHI の改善は認めないが,ESS や自覚的睡眠の質,QOL において有意な改善を認める421),これはAASM の臨床指針27)が掲げるOSA 治療の目的に合致する.したがって,鼻手術はCPAP 治療など標準治療のサポートとしてCPAP 治療と共存すべきもので,治療全体の中で適切な適応,タイミングで行うことが有効である.第三は上述1に位置付けられる,CPAP など標準治療が奏功しない場合に行われるサルベージ手術で,上気道周囲の軟組織手術,顎顔面形態手術,舌下神経刺激療法がある(顎矯正手術,舌下神経刺激療法は次項に記載). 口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)をはじめとする咽頭形成術は,Freidman 分類422)I(口蓋扁桃肥大がある.軟口蓋所見に異常がない.肥満がない)がよい適応である. UPPP はメタ解析において8 ヵ月後にAHI は35.6 から 13.9 に,ESS は11.6 から5.0 に改善したと報告されてい る423).また,CPAP 脱落者を対象としたRCT によると,術後6 ヵ月でAHI は47.9 から20.8,ESS は12.4 から5.3に有意に改善したと報告されている424).一方,いびき治療であるレーザー手術(Laser-assisted uvuloplasty: LAUP)については治療効果が確認されず,瘢痕拘縮による気道狭窄出現の報告があり425),勧められない治療である.また,わが国では行われていないが,Trans oral robotic surgeryはAHI が48.1 から19.0,ESS が11.4 から5.6 への改善が報告されている426).上気道の軟組織手術の治療効果は適応選択に依存すること,また,術後長期の副症状としてUPPP 後の軟口蓋の閉鎖不全,咽頭違和感,嚥下への影響,味覚異常などが報告されていること427)から,睡眠外科治療は治療全体のなかでサポート手術あるいはサルベージ手術の位置づけを明確にし,手術適応を正確に診断し,副作用を十分に説明し,同意を得たうえで,安全管理下に行うことが必要である. 5.2.9 外科治療(顎矯正手術) 元来,顎矯正手術は顎骨の発育・形態異常によって生じた咬合異常を治療する方法の1 つで,顎骨を離断し適切な位置に移動後固定する外科的療法である.この手術技術を利用し,上下顎骨を前方に移動させ,OSA 患者の上気道の閉塞および狭窄の改善を図るものを上下顎骨前方移動術(MMA)とよんでいる.また,舌骨上筋群を挙上する舌骨上筋群牽引術(genio-hyoid advanecement: GA)がある. OSA の成因に顎顔面形態との関連が示唆されているが,顔面形態と咽頭気道の関連を報告したものでは,小下顎に開口を伴った場合,上気道が有意に狭いとある428).また,術前後での上気道の変化に関して検討したシステマティック・レビュー429, 430)では,MMA によって咽頭気道は増大 するとしている. OSA に対するMMA の効果について,Ning らが2021に報告したシステマティック・レビュー431)では,RCT を1つ含めた(ほかは観察研究)19 の研究のメタ解析が行われている.AHI は術前57.3 から術後10.4 と低下がみられた.サブグループ解析では,AHI <40 の症例で-27.1,40 ≦ AHI <70 の症例で-44.1,AHI ≧70 の症例で-71.8 と術後に低下がみられた.また,MMA により睡眠効率が改善するという報告もある432).このようにMMA は軽症から重症例まで,その治療効果が確認されている.上記のシステマティック・レビューで採用された研究では治療評価は,術後半年から1 年で行われていたが,より長期的な治療評価に関するシステマティック・レビュー報告433)では,AHIの変化に関してメタ解析が行われ,術後4 ~8 年でのAHI の低下は-53.4,術後8 年以上でのAHI の低下は- 29.9 であった.以上から,AHI に関しては,短期的には顕 著な改善がみられるも,長期的には個々の加齢や体重変化に留意する必要がある. 合併症に関して,Ningらのシステマティック・レビュー431)では,死亡症例はなかったが,再手術,骨接合部の治癒不全(偽関節)や突然の呼吸困難といった大きな合併症は3.2% でみられた.そのほか,顔面の一過性の知覚異常(三叉神経II 枝・III 枝)は76.9% でみられ,18.5% は6 年の経過観察でも症状が遷延していた429). MMA は侵襲を伴う治療方法ではあるが,顎顔面形態の問題とOSA と関連していると診断された場合,咬合不全と顔面形態異常,上気道の閉塞及び狭窄を改善できるので,その利点と欠点を患者に十分説明したうえで,同意を得て適応することが推奨される. 5.2.10 植込み型舌下神経刺激療法(表24) 舌下神経刺激療法はOSA の機能要因である咽頭開大筋群の反応性に着目した治療法で,わが国でその開発が始まり434),海外企業によって製品化された.2018 年にわが国の薬事承認を取得したInspire Medical System 社のInspire2(図16)では,肋間に埋め込まれたセンサーリード先端の圧センサーが吸気相を検知し,パルスジェネレー 表24 OSA に対する植込み型舌下神経刺激療法の推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル AHI 改善を目的として植込み型舌下神経刺激療法を考慮するIIa B