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精製水の費用負担などの問題点も残り,今後の検討が必要である. 5.2.7 OA(表22) OA は,わが国においては2004 年から保険適用となり, OSA の治療手段の1つとして広く普及している.通常OAは,上気道の閉塞・狭窄を改善することを目的に,下顎もしくは舌を前方に移動させる装置である.OAは患者の個々の歯列模型からオーダーメイドで作製される.小児では顎の成長変化のため適応が難しく,治療対象は成人が主となっている. OSA に対するOA の効果について,AASM と米国睡眠歯科学会が2015 年に共同で策定した診療ガイドライン412)によれば,とくにAHI の装着後の変化のメタ解析(対象は軽症例から重症例)では,13.5 の低下であった.また2017年に日本睡眠歯科学会が策定した診療ガイドライン413)内のメタ解析では,プラセボOA に比してAHI の低下は, - 10.9 と優っていた.なおAHI に関して短期的効果はOAよりCPAP が優位であるが,OA は長期的なコンプライアンスに優れているので,使用効率対効果では同等であるとの報告がある414).この点からOA はOSA の軽症から中等症,またCPAP が継続使用できない症例に適応があるが,近年,適応を重症例まで含めるという意見が出ている. 2021 年に報告されたシステマティック・レビュー414)では,この点に主眼が置かれ,17 のRCT が採用され検討されたが,研究間の異質性が高く結論が述べられるに至っていない. OA の循環器疾患に対する治療効果は,2018 年にde Vries ら415)がシステマティック・レビューを報告しており,降圧効果はみられたが心拍数の有意な低下は認めなかった.心拍数に関して,2 つのRCT のメタ解析が行われたが,治療後の低下は-1.1 と有意差はみられなかった.なお,このなかでOA がCPAP 同様に心血管系のイベントを減らすとした観察研究416)を紹介しているが,RCT ではないため,今後,循環器疾患に対する効果を評価するには,より丁寧な臨床研究が望まれる. OA の副作用には,起床時の顎の違和感や使用時の唾液過多が知られているが,患者が受け入れられる程度のもの で,一時的なことが多い.一方,重篤な副作用として咬合の変化が知られている413).OA はCPAP に比し簡便な治療である一方で,残歯の状態などで適応となり難い症例も少なくない.適応評価,治療導入後の残存歯へのリスク評価と患者への十分な説明が必要であるため,担当する歯科医師は睡眠歯科医療の経験が十分であること,担当医師もよく理解しておくことが求められる.一方,長期使用によって歯の移動はあっても歯周炎の増悪は少ないことが報告されている417). OA の作製には,下顎の位置決めが要点である.これは歯科タイトレーションとよばれ,治療効果と副作用を勘案して行うため専門性を有する.また,OA 導入後の効果判定,経過追跡も必要である.睡眠歯科医療に精通している歯科医師の対応が推奨されている412). 5.2.8 外科治療(上気道手術) (表23) 2021 年にAASM は,1陽圧治療不耐または受容しない患者に対する代替治療としての睡眠外科的治療(強い推奨),2肥満患者の代替治療としての減量手術(強い推奨), 3CPAP アドヒアランス低下患者に対するサポートとしての睡眠外科治療(条件付き推奨),4上気道の解剖学的異常を合併する手術予定患者に対する(周術期のリスク管理目的での)初期治療としての陽圧治療(条件付き推奨),について睡眠外科医へのコンサルテーションに関する臨床ガイドラインを公表した418).わが国のガイドライン2, 419)では, OSA の治療開始前に上気道疾患の有無について診察が勧められており,上気道疾患を合併する場合は疾患の種類と治療の目的・手技により対応が分かれる. 第一に,腫瘍や副鼻腔炎など治療が必要な上気道疾患が合併する場合,OSA の治療と並行,あるいは優先して治療を行う.ただし,上述の4に従い,周術期管理目的に手術前に陽圧治療を開始すべきである.第二はCPAP の受容,継続に影響する鼻疾患に対しては,上述3に従い, CPAP など標準治療のサポート手術として行う.鼻手術の効果は少数のRCT で,CPAP の至適圧の降下と使用時間の延長が報告されている(CPAP 圧が11.6 cm から9.5 cm へ 表22 OSA に対するAHI 改善を目的としたOA 治療の推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル 軽症から中等症のOSA,またCPAP 治療が継続使用できない症例に対するAHI改善を目的としてOA 治療を考慮するIIa B表23 OSA に対する外科治療の推奨とエビデンスレベル 推奨クラスエビデンス レベル CPAP 治療のサポートとして鼻閉改善手術を考慮してもよいIIb C AHI 改善を目的として咽頭形成術を考慮してもよいIIb C