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p.34 抽出テキスト

報告もあるものの272),その他では関連性はない,ないしは弱いとされている273-277, 279, 281).また,TECSA 患者に循環器疾患が多く合併しているという報告もあるものの,高血圧・心不全・冠動脈疾患などの循環器疾患との関連はないという報告が多く284),現段階で特定の循環器疾患との関連は否定的である.

TECSA が発生する機序は明らかにされていないが, TECSA 患者をCPAP 開始後数ヵ月で再検すると,多くの患者でCSA が軽減または消失する点から276, 283, 285),CPAP開始に伴う急激な肺の伸展に対する反射性の呼吸抑制(Hering-Breuer reflex)や,覚醒反応閾値が低くHCVR が亢進している患者にOSA が合併している際に,CPAP治療を行うことにより,OSA 成分が消失しCSA が表面化し,TECSA という状況が生じる可能性も推定されている286-288).また,患者に低二酸化炭素血症を生じやすくなるすべての事象が,TECSA の誘因となりうる3). d.治療

多くの症例で数ヵ月のCPAP のみの治療で当初のCSAが消失していることから276, 278, 283, 289),CPAP 治療を許容できるのであれば,数ヵ月経過を観察することから開始すべきと考えられる.心機能が低下している患者はCSA を生じやすいが,こうしたSDB は心機能の改善とともに軽減・消失していく277, 290, 291).したがって,心機能低下の関与が疑われる患者では,心機能改善そのものが有効な治療法と考えられる.薬物治療としてはアセタゾラミドの使用でCSA 改善が報告されているが292),これがTECSA 患者にも適応できるかは不明である.同様に,陽圧呼吸回路内に回路内の二酸化炭素濃度が一定となるように微量の二酸化炭素を流すとCSA をコントロールできるという報告もあるが289),特殊な設備や機器が必要であり,現時点では一般的治療として勧められない.CPAP が無効のTECSA ではbi-level PAP とASV が有効であるが,ASV による治療成績がもっとも優れており293-295, 296),CPAP やbi-level PAPとASV によるRCT でもASV がより有効であったことから,現時点では,有効性という観点からはASV による治療が最善と考えられる285).ただし,わが国の保険医療体系では,これらの機器はきわめて高額,あるいは使用できないことを考えると,まずCPAP 治療を行った後に,残存するCSA が睡眠障害や低酸素の観点から許容できないかを十分考慮したうえで,こうした機器を使用していくことが妥当であると考えられる. 5 治療

5.1 循環器疾患に合併するSDB の治療

循環器疾患に合併するSDB は循環器疾患の状態が変化するため,同じ治療を漫然と継続せず全身状態・循環動態をみて定期的な評価と適切な調整が求められる.

5.2 OSA の治療

5.2.1 減量

肥満は,OSA のリスクと重症度を高める最大のリスク因子であり297),かつ改善可能な因子である.減量は,上気道の閉塞を減少させることで,無呼吸を軽減させる.WSCでは,4 年間で10% 体重が増加すると,AHI が32% 増加し,逆に10% 体重が減少すると,AHI が26% 減少することが報告されているが298),体格や顎顔面形態の異なるわが国の症例でこのような関係性を示すデータはない.OSA患者の減量については,複数のメタ解析の結果が報告されている.いずれも一貫して体重減少に伴いAHI が改善することが示されている299-304).そのため,肥満を合併したOSA では減量を実施することが推奨され305, 306),減量により循環器疾患リスク因子の改善も期待される182).

減量には,食事療法と運動療法などによる生活習慣への介入,高度肥満に対する治療法として肥満外科手術(bariatric surgery)がある.

生活習慣への介入は,食事療法,身体活動量の増加や,有酸素運動による運動療法,認知行動療法,睡眠衛生指導を組み合わせたプログラムが提供されている307).軽症から中等症のOSA に対する生活習慣への介入による効果をみたメタ解析では,14 kg の体重減少により,AHI が16 減少,SpO2 最低値が14% 上昇していた(日本人のデータは含まれていない) 302).しかしながら,生活習慣への介入のみで体重の10% 以上の減量を達成することは難しく,AHIが治療の目標値まで改善するほどの効果は見込めない308).そのため,減量は単独の治療法ではなく,CPAP や口内装具といった他の治療と併用することが推奨される215).

肥満外科手術は高度肥満に対する効果的な治療であり,持続的な体重減少および肥満関連の併存症と死亡率の減少をもたらす309).わが国で行われている肥満外科手術は腹