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惹起される123, 131, 132, 136). d.覚醒閾値 脳波上の一過性の覚醒反応は睡眠中の閉塞性無呼吸を終息させるために必要な生体防御反応であると考えられてきた.しかし,覚醒反応は無呼吸を終息させるのに必須ではないとも考えられており,実際,閉塞性無呼吸の10 ~ 25% は覚醒反応を伴うことなく上気道閉塞が解除されると言われている.覚醒反応によって引き起こされる換気量の増大が動脈血中の二酸化炭素濃度の低下を招き,呼吸不安定性を惹起することから,覚醒反応が呼吸不安定性を介して閉塞性無呼吸を繰り返す要因になっている可能性もある137). 4.1.2 臨床症状 OSA では,きわめて大きないびきや呼吸停止が典型的症状であり,ベッドパートナーからの指摘での受診も多い.自覚的臨床症状としては,昼間の過剰な眠気が典型的であるが,週に2 回以上過剰な眠気を訴えるものは,AHI ≧5中年患者のうち,男性で22.6%,女性で15.5% である41).眠気の主観的尺度としてESS が使用され,11 点以上が異常な眠気あり,16 点以上で重度の眠気と判定する.日本人向けに一部改変されたものもあり,インターネットで入手可能である7).しかし,眠気は睡眠不足やほかのさまざまな原因でも生じ,とくに循環器疾患患者では自覚症状が乏しい場合も多く,たとえば心不全患者で,客観的にはより眠気の強い状態でありながら自覚的には眠気を感じることが少ないという報告や138),心房細動患者でも眠気を表すESS とOSA の程度との相関が非常に弱いとの報告 がある139).したがって,循環器疾患患者を診察する際には,肥満・顔面形態・咽頭形態の異常の有無に注意して,これらの異常が疑われる際には積極的にOSA を探すよう心がける必要がある.一方で,OSA 患者のうち,強い眠気を訴える群では,将来心不全となる可能性がほかの群より高いという報告もあり,注意が必要である140).わが国での検討によると,AHI ≧5 の群で日中の過剰傾眠,熟睡感の欠如,全身倦怠感,夜間頻尿,夜間呼吸困難などをはじめとする症状が報告されている(表13) 141).こうした症状 のうち,夜間の窒息感や喘ぎがもっともよくAHI が10,または15 のOSA の存在を予測したと報告されている142). OSA では詳細な機序はいまだ明らかではないが胃食道逆流症の合併が多く143),CPAP 治療で改善するという報告もある144).胃食道逆流症による夜間の安静時胸痛は冠攣縮性狭心症の症状と類似しているため,循環器診療にあたって注意が必要である.また,OSA 患者では夜間口呼吸をしており,口腔内・咽頭などが乾燥するために咽頭炎・扁桃炎を繰り返し生じることがあり,これがCPAP などの治療により軽減することもしばしば経験される.他覚徴候としては,OSA の象徴であるいびきがあげられるが,わが国の報告ではOSA の93% でいびきの合併を認めている141).一方,週3 回以上いびきをかく人の33% にAHI 5 ~15, 28% にAHI ≧15 のSDB を認めたと報告されている.その他,多くの症例で,ベッドパートナーなどから睡眠中の無呼吸や異常体動を指摘されている141). 図10 上気道開大・虚脱にかかわる解剖(Malhotra A, et al. 2002 129)より) Reprinted from The Lancet, 360(9328), Malhotra A, White DP., Obstructive sleep apnoea., 237-45., Copyright (2002), with permission from Elsevier. 気道虚脱性亢進 吸気時に発生する陰圧 ・上気道周囲からの外圧・脂肪沈着・小顎症気道開存性亢進 咽頭開大筋の収縮(オトガイ舌筋) 肺容量(長軸方向への牽引)