p.23 抽出テキスト
ク: 2.6 倍) 85). g.脳血管障害 50 歳以上を対象にした平均3.4 年間の観察研究によれば,AHI ≧5 のOSA における脳卒中および死亡のリスクは対照群(AHI <5)に比べ有意に高い(ハザード比: 2.0) 86).脳卒中あるいはTIA 後の患者におけるSDB 有病率の報告を対象としたメタ解析によると,脳卒中あるいはTIA 発症後1 ヵ月以内では,SDB 有病率は,66.8%(AHI ≧5), 50.3%(AHI ≧15),31.6%(AHI ≧30),発症後3 ヵ月以上経過で各々66.2%,33.1%,25.1%,全体で71%(AHI >5),40%(AHI >20),30%(AHI >30)と報告されている87, 88). h.大動脈疾患 胸部大動脈瘤におけるSDB の合併頻度について,208人を対象とした観察研究でAHI ≧5 の合併率は63% であった89).腹部大動脈瘤については,123 人を対象とした観察研究では,OSA の有病率は63.4%(AHI >5), 41.5%(AHI >10),27.6%(AHI >15),14.6%(AHI >30)と報告されている90).またMarfan 症候群では,頭蓋・顔面骨格の異常により咽頭腔の虚脱が起きやすいとされており91, 92),OSA の頻度は32.8 ~64% と報告されている93, 94). 大動脈解離におけるSDB の合併頻度は61 ~82% と報告されている95-99).OSA の大動脈解離発症リスクに関するメタ解析(5 つの観察研究,解析対象者56,291 人)では, AD におけるOSA の罹病率は45% であり,非OSA と比較したOSA の大動脈解離のオッズ比は1.60 であった100).さらにAHI ≧15 の中等症~重症OSA では,AD のオッズ比は4.43 であった. i.肺高血圧 OSA と肺高血圧(PH)は相互に合併頻度が高く,OSAのPH 病態形成への関与も指摘されている.AHI >20 のOSA 患者220 人の解析によれば,17% にPH(平均肺動脈圧≧20 mmHg)の合併が認められている101).OSA(AHI ≧5)患者37 人の解析では,PH を認めたOSA 患者8 人(21.6%)全員が重症OSA(AHI ≧30)(重症群中の33.3%)であった102).一方,PH 患者におけるOSA(AHI ≧5)有病率は89% で,内訳は22%(AHI 5 ~14),39% (AHI1 5 ~29),28%(AHI ≧30)と報告されている103). 3.2 CSA の疫学 一般人口(男性741 人)を対象とした米国のペンシルベニアにおけるコホート研究によれば,CSA(AHI ≧10)有病率は0.4%,65 歳以上の男性で1.1% であり,中枢性無呼吸指数(CAI)≧2.5 のCSA 患者は,20 ~44 歳,45 ~ 64 歳,65 ~100 歳で各々0%,1.7%,12% 認められたと 報告されている104).また,40 歳以上を対象としたSHHSにおける解析では,CSA(AHI ≧5)有病率は0.9%, CSA-CSR は0.4% であった105).さらに65 歳以上の男性2,911 人を対象としたコホートでのCSA 有病率(CAI ≧5)は7.5% と報告されている106).CSA は,心不全72, 107-113),脳血管障害88, 114-116),心房細動117, 118),CKD 119, 120),麻薬使用121)などの病態との関連が指摘されている. 3.2.1 循環器疾患とCSA a.心不全 心不全患者におけるCSA(AHI ≧15)の合併率は21 ~ 40% と報告されている72, 74, 108).左室収縮機能障害例では, CSA-CSR は主要な予後予測因子の1 つであり,死亡リスクを2.1 倍上昇させる110).また,CSA-CSR 合併心不全患者は,CSA-CSR 非合併心不全患者に比べて有意に死亡率,心臓移植率が高い(相対危険度: 2.5) 111).重症心不全患者 60 人での検討によれば,日中の10% 以上の時間でCSRが認められる患者では,日中のCSR <10% の患者に比べて死亡率が3.8 倍高くなり,日中の10% 以上のCSR は独立した予後規定因子と考えられている112).心不全患者におけるCSA のリスク因子は,男性,心房細動,年齢≧60歳,低二酸化炭素血症(≦38 mmHg),利尿薬(ループ,サイアザイド系)使用と報告されている74, 109). b.脳血管障害 脳卒中患者におけるCSA(CAI ≧5)有病率は1.4% 114),脳卒中およびTIA 患者におけるCSA(AHI ≧5)有病率は12% と報告されている88).またCSR の有病率は脳卒中(lacunar stroke)患者で20.6% 115),脳卒中およびTIA 患者で26.1% 116)との報告がある.脳卒中およびTIA 患者のCAI は,急性期(発症48 ~72 時間後)で6.2,安定期(発症3 ヵ月後)で3.3 と減少するが,閉塞性無呼吸指数(OAI)は変わらない116). c.心房細動 CSA(AHI ≧10)患者における心房細動の有病率は27% と高く117),CSA 患者(CAI ≧5)やCSA-CSR 患者では心房細動の合併リスクが高くなる(オッズ比,CSA: 2.6,CSA-CSR: 2.3) 118). d.CKD CKD 患者のなかでもESRD 患者ではCSA が認められ,血液透析を行っている慢性腎不全における検討では,CSA (AHI ≧15)の有病率は57%,CSR の有病率は12% であったと報告されている64, 119).この他にも,CKD 患者におけるCSA 有病率の報告は複数あるが,CSA 判定基準が適切でない研究もあり,有病率は0 ~75% と,かなりのば