p.22 抽出テキスト
軽症1.3,中等症1.7,重症1.9) 60).逆に,2 型糖尿病患者のOSA 有病率は86%(AHI ≧5),30% 以上(AHI ≧15)と報告されている57, 61).睡眠時間で補正された3%ODI で評価したわが国の研究では,肥満のない(BMI <25 kg/m 2)糖尿病で約20% にSDB(3%ODI ≧15)を認め,肥満のある(BMI ≧25 kg/m 2)で約45% にSDB(3%ODI ≧15)を認めたと報告されている53).一方,1 型糖尿病患者におけるOSA(AHI ≧5)有病率は,46% と報告されている62). c.慢性腎臓病 慢性腎臓病(CKD)患者におけるSDB 有病率は,65% (AHI ≧5) 63),41 ~50%(AHI ≧15) 63-65),22.5%(AHI ≧30) 66)と報告されている.SDB 有病率は腎機能低下とともに増加し,末期腎不全(ESRD)では57% に達する64).わが国からの報告によると,CKD 患者におけるOSA 有病率は,OSA 重症度別に,32%(軽症),25%(中等症),8% (重症)であった63). d.虚血性心疾患 SHHS によると,重症OSA(AHI ≧30)は40 ~70 歳の男性の冠動脈疾患発症リスクをAHI <5 患者の1.7 倍高めた67).急性冠症候群(ACS)患者(2,551 人)の49.6%,経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の患者(1,311 人)の45.3% にOSA(AHI ≧15)が認められている68, 69).メタ解析によれば,ACS 患者におけるSDB 有病率は69%(AHI >5),43%(AHI >15),25%(AHI > 30)である70).OSA 患者の虚血性心疾患の有病率は女性より男性のほうが高い71). e.心不全 慢性心不全(左室駆出率の低下した心不全[HFrEF])患者におけるSDB 有病率は,76%(AHI ≧5) 72),71%(AHI ≧10) 73),47%(AHI ≧15) 74),左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF)患者では69.3%(AHI ≧5) 75),55%(AHI ≧10) 76),31.8%(AHI ≧15) 77)と報告されている.急性非代償性心不全患者におけるSDB 有病率は92%,97%(AHI ≧5),69%,76%,82%(AHI ≧15)と,さらに高率とされる78-80). f.不整脈・突然死 SHHS では,SDB(AHI ≧30)の患者における心房細動の有病率は4.8%,非持続性心室頻拍5.3% であった81).さらに年齢,性別,BMI,冠動脈疾患で調整すると, SDB患者(AHI ≧30)における不整脈合併リスクは,心房細動(オッズ比: 4.0),非持続性心室頻拍(3.4),心室性期外収縮(1.7)で有意に高い.一方,心房細動の患者におけるSDB 有病率も,74%(OSA[43%],CSR/CSA[31%], AHI >5)あるいは81.4%(AHI ≧5)と高い82, 83).夜間の不整脈はOSA 患者の50% 近くに認められる84).睡眠中に比較的よく認められるのは,心房細動,非持続性心室頻拍,洞停止,2 度房室ブロック,心室性期外収縮などである84).PSG 中の心電図解析では,重症SDB(AHI ≧ 30)は,対照群(AHI <5)に比べて夜間の不整脈のリスクを2 ~4 倍高めることがわかっている81). PSG 後に心原性突然死をきたした112 人について,突然死を起こした各時間帯に分けて検討した報告では,OSA (AHI ≧5)症例の46% が深夜0 時~午前6 時の時間帯に突然死を起こしているのに対して,OSA のない症例で同時間に突然死しているのは21% であり,OSA の存在は,睡眠時間中に心原性突然死をきたすリスクとなる(相対リス 図8 各心血管疾患におけるSDB 合併頻度(とくに表示のない場合はすべてAHI ≧5 の頻度を示す) 高血圧 51) 治療抵抗性高血圧 55) 糖尿病 61)慢性腎臓病 63)急性冠症候群 68) HFrEF 72) HFpEF 75)心房細動 82) 脳卒中 88)大動脈解離 97)胸部大動脈瘤 89)腹部大動脈瘤 90) 肺高血圧 103) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 % 89 59 83(AHI≥10) 86 65 49.6(AHI≥15) 76 69.3 81.4 71(AHI>5) 68 63 63.4(AHI>5)