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p.19 抽出テキスト

簡易モニターの解析において自動解析の数値をそのまま利用されていることも見受けられるが,自動解析の妥当性については未確立なため結果の解釈には注意が必要である.簡易モニターのみで診断する場合には,なるべくタイプ4ではなくタイプ3 機器を使用し,実波形を確認しながら判断をすることにより,より精度の高い診断に近づくことができる.

循環器疾患に合併するSDB については,CSA が混在することも多いため,簡易モニターのみで評価することは難しく,PSG を実施することが望ましい.簡易モニターにより評価を行う場合は,なるべくタイプ3 機器を使用して検査を行い,必要に応じてPSG を行うことを考慮する.

PSG により診断されたOSA においては,治療導入後の再評価を簡易モニターで行うこともあるが,初回のPSG においてほかの睡眠障害やCSA の混在が顕著でなければ適切である39).SDB の診断と治療のための検査に関する推奨とエビデンスレベルを表10 に記す.

2.3 スコアリングルール

2.3.1 AASM マニュアル

2010 年版「循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン」では,2007 年にAASM より刊行された「AASM マニュアル2007(The AASM Manual for the Scoring of Sleep and Associated Events)」9)に基づいてスコアリングのためのルールが記載された.その後,

改訂が重ねられ,2022 年6 月現在,ver.2.6 29)が最新版である.本ガイドラインでもAASM のルールに基づいた解析を推奨する.AASM マニュアルは随時改訂が行われるものであり,どのバージョンで解析を行ったのかをレポートに記しておくのが望ましい.以下におもなルールを記載する. a.睡眠段階判定ルール

30 秒を1 エポックとよび,エポックごとに睡眠段階を判定する.覚醒状態をStage W,ノンレム睡眠をStage N1 ~3 に分類し,Stage N3 を深睡眠ともよぶ.睡眠段階としてのレム睡眠はStage R とよぶ. b.覚醒反応ルール

睡眠と判定したエポックにおいて,10 秒以上続く睡眠状態から3 秒以上にわたり脳波周波数が突然変化した場合を覚醒反応と判定する. c.呼吸ルール

呼吸ルールは成人と小児に分かれているが,ここでは成人に限定して記載する.呼吸イベントは無呼吸と低呼吸に大別される.無呼吸は中枢性無呼吸(central apnea),閉塞性無呼吸(obstructive apnea),混合性無呼吸(mixed apnea)に分類される.分類のためには呼吸努力のセンサーが必要である.低呼吸は閉塞性低呼吸(obstructive hypopnea),中枢性低呼吸(central hypopnea)に分類されるが,分類は任意のため低呼吸とのみ判定されている場合もある. i.無呼吸(図5)

サーミスタセンサーで気流の振幅低下から判定する.振幅が比較基準の90% 以上低下している状態が10 秒以上持続する状態を無呼吸と判定する.2012 年の改定(ver.2.0)までは,イベント中に気流の振幅低下が持続する時間が90% 以上を占めるという条件があったが,その基準は現行のバージョンでは削除されている.酸素飽和度低下基準は必要としない. ii.低呼吸

低呼吸の判定基準はマニュアルの改訂に伴い2007 年以降何度か変更されている.2013 年の改訂(ver.2.0.1)以降は,推奨基準と代替基準が併記される形となっており,わが国では推奨基準が用いられていることが多い.推奨基準において低呼吸は,鼻圧センサーにおいて10 秒以上気流が減弱した状態に加えて,3% のSpO2 低下,あるいはイベント終了時に覚醒反応を伴うことで定義されている.代替基準は米国Medicare の基準であり,呼吸イベントが過小評価されることになる.

2012 年の改訂(ver.2.0)から低呼吸の分類が任意で求め

表10 循環器疾患に合併するSDB の診断・治療のための検査に関する推奨とエビデンスレベル

推奨クラスエビデンス

レベル

PSG により循環器疾患に合併するSDBの確定診断および治療効果の評価を行うI AすでにPSG により診断されたSDB に対して簡易モニター(パルスオキシメータ単独を除く)を用いて治療効果の評価を行うことを考慮するIIa C簡易モニター(パルスオキシメータ単独を除く)を用いてSDB のスクリーニング検査を行うことを考慮するIIa C簡易モニター(パルスオキシメータ単独を除く)を用いて循環器疾患に合併するSDB の診断・治療を行うことを考慮してもよいIIb

C

パルスオキシメータを用いてSDB のスクリーニング検査を行うことを考慮してもよいIIb C