p.16 抽出テキスト
REI)で検出されたSDB(AHI ≧10)と不良な臨床転帰に関連がみられており33, 34),PSG によるAHI でなくてもタイプ3 によるAHI(厳密にはREI)でリスクを層別化できる可能性がある. iii.PAT センサーを用いた機器 PAT センサーにより検出した末梢動脈波とパルスオキシメータを組み合わせて呼吸イベントを判定することができる.PAT センサーを用いて算出した呼吸イベント数を推定睡眠時間で割ったものをpAHI としてレポートに報告し,簡易モニターのREI,PSG のAHI に代わる指標としている.ほかにpRDI,ODI という指標が報告される.また, PAT センサーによる血管の緊張度の変化や脈拍数の変化から深睡眠やレム睡眠の割合なども推定することができる. タイプ3 として見なされることもあるが,米国の公的医療保険制度のひとつであるMedicare はタイプ4として扱っている.CSA とOSA を区別してpAHI を評価できるバージョンが利用可能となったため,今後はタイプ3 に近い位置づけになる可能性がある.呼吸イベントの解析が基本的に自動解析であるが,本体に内蔵されている活動量計を利用して睡眠と覚醒の区別も可能となっており,MT の代わりに推定睡眠時間を用いてpAHI を算出するため,pAHIは自動解析でもある程度の信頼がおける値であると考えられている.β遮断薬や血管拡張薬を内服している循環器疾患患者(心不全,心房細動を含む)においても, pAHI とPSG のAHI との相関・一致が高いことが示されている35, 36).一方で,動脈スティフネスの亢進した症例では差が出やすい可能性も報告されているため37),注意が必要である. 2.2.3 PSG PSG では,脳波,眼電図,オトガイ筋筋電図の記録より睡眠段階を判定し,気流,胸腹壁の呼吸運動,SpO2 の記録を合わせて呼吸イベントを判定する.同時に体位,前脛骨筋筋電図,心電図,いびき,二酸化炭素分圧などの生体信号および映像音声も記録する.SDB の診断だけでなく,ナルコレプシーなどの中枢性過眠症,レム睡眠行動障害などの睡眠時随伴症,周期性四肢運動障害(PLMD)などの睡眠関連運動障害といった診断のためにも実施される.前述の簡易モニターやHolter 心電図などで異常所見がある場合,問診や診察などからSDB が疑われる場合,また, SDB の治療を要する可能性が高いと考えられる場合などで施行されることが多い. 監視下で行うもの(タイプ1)と監視を行っていないもの(タイプ2)に分けられ,タイプ1 ではセンサー装着状態の不良に対して,適宜検査中に介入が可能であり,タイプ2では検査後の解析で総合的に判断するしかない点に留意し て,結果を解釈する. 治療の経過でSDB の状態を再評価する場合,陽圧呼吸療法や酸素吸入の治療効果を判定する場合にもPSG が行われることがある.陽圧呼吸療法のための装置を使用した状態や酸素吸入下でPSG を行い,圧設定や酸素流量を見定める,いわゆるタイトレーション検査が行われることもある.通常監視下で行われ,呼吸イベントの出現状況を観察しながら,治療圧や流量を調整して至適圧・至適流量を決定する.マニュアル調整の方法はAASM の定める方法38)に準じて行われるが,施設ごとにさまざまなルールで実施しているのが現状であり,オートCPAP の作動に任せて,不必要な圧上昇やマスクリークにのみ対応するという方法で実施している場合もある.循環器疾患に合併するSDB はCSA(CPAP により誘発されるものを含む)が出現することもまれではなく,固定圧をマニュアル調整しながら,マスクリークに注意して至適圧を探るのが望ましい. a.センサー類 PSG の解析においては,一般的に30 秒を1 エポックとよび,エポックごとに睡眠段階(2.3 「スコアリングルール」を参照のこと)を判定する.一晩の睡眠段階の遷移を図示したものをヒプノグラムとよぶ(図4 上段). 図4 下段の1~10は,下記のセンサーの記録にそれぞれ該当する.簡易モニターでも用いられることのあるセンサー類(いびき音センサー,気流センサー,呼吸運動センサー,心電図,パルスオキシメータ,体位センサー)に加えて,眼電図(EOG),オトガイ筋筋電図(EMG),脳波(EEG)が必須であり,さらに下肢筋電図などを同時計測する. b.評価項目(表9) i.総睡眠時間(TST) PSG では,簡易モニターと異なり脳波により睡眠を判定することができるため,総記録時間(TRT)とは別に,TSTを算出する.時間あたりの指数を計算する場合の分母はTST を用いる. ii. 無呼吸低呼吸指数(AHI) 呼吸イベント(無呼吸および低呼吸)の総数をTST で割ったものをAHI とよび,無呼吸数,低呼吸数それぞれについて指数を算出したものを,それぞれ無呼吸指数(AI),低呼吸指数(HI)とよぶ.低呼吸を閉塞性,中枢性に分類することはオプション扱いとなっているが,この分類を行っていれば,閉塞性無呼吸低呼吸指数(OAHI),中枢性無呼吸低呼吸指数(CAHI)などを算出することも可能である.とくに心不全では,AHI に占める低呼吸イベントの割合が大きいことが多く,HI のタイプを分類することで,